側弯症の悪化予防:成人向けの体操とシェノー装具の活用法

側弯症の悪化予防:成人向けの体操とシェノー装具の活用法

はじめに

成人になってから、かつて小中学生の頃に側弯症の治療(装具など)を行っていた方の中には、現在特に治療をしていない方も多いかもしれません。しかし、最近になって肩こりや背中の張り、姿勢の変化を感じるようになっている方もいるのではないでしょうか。側弯症は一般的に、成長期を過ぎると進行が緩やかになると言われていますが、側弯カーブが20度後半以上の方にとっては、姿勢の悪化が将来的に健康に影響を与える可能性があります。今回は、成人の側弯症の悪化を予防するための体操とシェノー装具の活用法についてご紹介します。

側弯症の成人に見られる問題点

成人の側弯症の方がよく訴える症状として、以下のようなものがあります:

  • 肩こりや首の疲れ
  • 背中の張りや痛み
  • 姿勢の崩れによる見た目の不安
  • 疲れやすさ

これらの症状は、長時間のデスクワークや不良姿勢によってさらに悪化することがあります。また、側弯症が進行すると、内臓への圧迫や呼吸機能の低下といった健康上の問題に発展することもあります。

成長期を過ぎた側弯症の悪化について

確かに、側弯症は成長期を過ぎると急激な進行が収まるケースが多いです。しかし、特にカーブが20度後半以上の方にとっては、筋力の低下や姿勢の崩れによって徐々に側弯が進行することがあることが示唆されています。側弯が進行することで、見た目の問題だけでなく、日常生活に支障をきたす可能性を予防解決するためにも、以下のことに気を付けて実施することは有効です。

体操による側弯症の悪化予防

側弯症に対する体操は、筋肉のバランスを整え、姿勢を改善することで、側弯の進行を防ぐ効果が期待されます。ここでは、姿勢改善を目的とした簡単な体操をご紹介します。これらの体操は、自宅で簡単に行えますが、無理のない範囲で行い、痛みを感じた場合は中止してください。

  1. キャット&ドッグ(背骨の動きの改善)
    • 四つん這いになり、背中を丸める(キャットポーズ)と、背中を反らす(ドッグポーズ)動作をゆっくり繰り返します。呼吸に合わせて動き、背骨の柔軟性を高めることが目的です。
  2. プランク(体幹の強化)
    • 腹筋と背筋をバランスよく鍛えるためにプランクは有効です。肘を肩の下に置き、つま先(大変な場合は両膝)で体を支える姿勢を30秒〜1分間キープします。背中が反らないように注意し、体幹を意識して行いましょう。
  3. 側弯に合わせたストレッチ(シュロス側弯体操など)
    • 側弯のカーブに合わせて、背中や腰の片側を重点的に伸ばすストレッチを取り入れることも効果的です。無理なくゆっくりとした動作で行い、呼吸を忘れないようにしましょう。

シェノー装具の活用法

小中学生の頃に側弯矯正装具を使用した経験がある方も、成人になってからその利用を再考する価値があります。成長期に側弯の進行を抑えるために使用されることが多いですが、成人においても一定の効果が期待できる場合があります。特に軽量で小型、装着が簡易なシェノー側弯装具はおすすめです。

  • 姿勢補正のサポート:装具を使うことで、日常的に悪い姿勢を取り続けることを防ぎ、側弯の進行を抑制することができます。
  • 長時間座る際のサポート:デスクワークや長時間の座り仕事において、装具をつけることで背骨にかかる負担を軽減し、背中の痛みや肩こりを防ぐことができます。

まとめ

側弯症が成人になっても進行する可能性がある方にとって、体操とシェノー装具は非常に有効な予防手段です。体操で筋力を強化し、姿勢を改善しながら、装具で日常生活における姿勢の崩れをサポートすることで、将来的な悪化を防ぐことができるでしょう。側弯症の進行や症状に不安を感じる場合は、当センターに気軽にご連絡ください。専門の理学療法士が丁寧にご対応させていただきます。

東京慈恵医科大学病院E棟2階 フィジオセンター

お問い合わせ先:info@physiocenter.jp

電話:03-6402-7755

シュロス法側弯セラピスト 大田

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