昨日のブログでは、変形性股関節症をお持ちの方の股関節自体にも大きい負担をかけやすい、スウェイバック姿勢について特徴とアプローチの方法について解説しました。
本日のブログでは、変形性股関節症をお持ちの場合に影響の大きい、筋肉の不均衡が与える影響について解説します。
股関節は、立ちあがり動作や歩く事、階段の上り下り等、日常生活での動作の多くに関与する重要な関節です。その周囲を取り囲む股関節周囲筋の深層筋(インナーマッスル)は、関節を安定して適切な動作を可能にする役割を果たしていると考えられています。その一方で関節の表層を走行する二関節筋(グローバルマッスル)は、力の発揮に効率的であるとされています。しかし、インナーマッスルとグローバルマッスルに不均衡が生じると、股関節に過剰な負担がかかり、痛みや変形性股関節症などの病態が進行する原因となることがあります。
股関節のインナーマッスルとして、特に注目されているのは股関節前面を走行する腸腰筋・側面では小殿筋・後方では上・下双子筋などの外旋六筋が挙げられます。特に腸腰筋と小殿筋は股関節の関節包に付着を持つとされており、股関節の安定性に寄与していると考えられています。
一方でグローバルマッスルとしては、股関節前面を走行する大腿直筋・縫工筋、外側を走行する大腿筋膜張筋、後方ではハムストリングスなどが挙げられます。
臼蓋形成不全などが背景にあり、股関節内に炎症や痛みが生じると、インナーマッスルの機能が低下する事がわかっています。その低下したインナーマッスルの機能をグローバルマッスルが補うように過剰に働く傾向がありますが、本来関節を安定させる作用をグローバルマッスルは持たないため、このバランスが崩れる事で股関節に対して過剰な負荷や剪断力が加わってしまう可能性があります。
フィジオセンターでは、このような背景がある事を前提に、そのクライアントの方がどういった動作の時に、どのようなお困りごとをお持ちかを詳細にお伺いしてアプローチを行います。1つ1つの動作で股関節に求められる関節の可動域や筋肉の機能は大きく異なるためです。より詳しくみると、歩行の中でも足で体重を支えるタイミングは4つに分けられ、その4つの中でも求められる股関節の機能は異なります。
当センターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、変形をお持ちの股関節の機能を出来るだけ発揮できるような働きかけだけではなく、全身的に姿勢や動きを拝見して、どのような体の使い方を行う事でより良い動きになっていけるかを確認して施術・コンディショニングを提案しています。
ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志