今回ご紹介する注目の論文はこちら!
「Spontaneous regression of herniated cervical disc: A case report and review」
(頚椎椎間板ヘルニアの自然退縮:症例報告とレビュー)
研究論文のポイントを紹介します
「手術しないと治らない」――そんなイメージの強い頚椎椎間板ヘルニアですが、
この論文は**“自然に消えることもある”という希望を科学的に裏付けています!
調査内容
- 対象は C4–C5、C6–C7など のヘルニア76症例
- 保存療法(NSAIDs=痛み止め、装具療法、理学療法)のみで経過観察
- 結果:平均9.15か月後にヘルニアが自然に縮小!
- 特に「突出型」「遊離型」で起こりやすい傾向がありました
- MRI造影で「rim enhancement(縁取りのような造影効果)」が見られた場合は、自然吸収しやすいとのこと!
どうしてヘルニアが“消える”の?その驚きのメカニズム
自然退縮の裏には、私たちの体に備わった免疫システムの秘密兵器が関わっています。
ステップで見るメカニズム
- 髄核が飛び出して後縦靭帯や硬膜外腔に露出
- そこへ化学走化因子(MCP-1, IL-8など)が放出され、免疫細胞が集まる。
- 血管新生(ネオバスキュラーゼーション)が起こり、マクロファージが集結。
- マクロファージが髄核を“貪食(どんしょく)”して分解吸収
つまり、免疫が髄核を“異物”として掃除してくれることで、ヘルニアが縮小していくという、まさに身体の「自己治癒力」なんです。免疫機能を整え方や、生活習慣(特に姿勢や柔軟性、体に使い方など多角的な改善法と合わせて実施していきましょう。(頚椎椎間板ヘルニアの症状改善のリハビリは、フィジオセンターの大田まで)
東京慈恵医科大学病院E棟2階 フィジオセンター
お問い合わせ先:info@physiocenter.jp (担当の大田までお問い合わせください)
電話:03-6402-7755