本日のブログでは、変形性股関節症に対する運動療法の長期的な効果を検証した研究をご紹介します。
変形性股関節症は、股関節の軟骨が摩耗し、痛みや関節可動域の制限を引き起こす進行性の疾患とされています。このことにより、歩行や日常動作が困難になってしまい、生活の質(Quality of Life, QOL)が低下します。近年、運動療法はこの変形性股関節症の保存的治療の第一選択として推奨されています。
2021年にInternational Journal of Environmental Research and Public Healthに掲載された研究では、変形性股関節症に対する運動療法の長期的な効果を検討するために、変形性股関節症の患者を対象に12週間の運動療法プログラムが痛みや股関節の機能に及ぼす影響を1年間追跡調査しました。
この研究では、115名の変形性股関節症の患者を対象に、12週間の運動療法を実施し、3ヶ月後・6ヶ月後・12ヶ月後における痛みや身体機能の変化を測定しました。
研究開始後から運動療法を行った群は、12ヶ月後も痛みや機能が改善した状態を維持していました。比較として3か月後から運動療法を行った群も機能は改善しましたが、研究開始直後から運動療法を行っていた群と比較すると効果はやや低かったと報告されています。加えて、患者がより主体的に運動療法に取り組む程、治療効果が持続することが明らかになりました。結果として、変形性股関節症の運動療法の効果は適切に継続すれば長期的に維持できる可能性が高いことが示されました。
フィジオセンターでは、このような研究結果を踏まえ、変形性股関節症をお持ちの方に対する施術・コンディショニングでは、変形をお持ちの股関節の関節可動域や筋力を評価するだけでなく、歩行のフォーム・立位姿勢やバランスと取り方の傾向などを確認して、普段から股関節にどのような力が加わり易いかを想定して、個々の対象者の方に合わせたエクササイズを実施しています。
当センターでは、保険外・自費でのリハビリテーションサービスを提供しております。変形性股関節症の診断後に医療機関での外来リハビリテーションが処方・実施されていない方、もしくはリハビリテーションが算定日数制限のため終了された方々に向け、変形をお持ちの股関節の機能だけに着目するのではなく、全身的な観点から股関節の余分な負担を軽減するような施術・コンディショニングを実施しています。
ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志