臼蓋形成不全例における仰向けと立位の臼蓋被覆の変化について

臼蓋形成不全例における仰向けと立位の臼蓋被覆の変化について

フィジオセンターのブログでは定期的に変形性股関節症に関わる情報を解説しています。本日のブログでは、臼蓋形成不全・発育性股関節形成不全に関する、2019年に発表された重要な研究をご紹介します。

本研究は、「背臥位(あおむけ)と立位で骨盤の傾きや寛骨臼被覆がどのように変化するか」を詳細に検証したものです。臼蓋形成不全・発育性股関節形成不全のリハビリや施術・コンディショニングにおいて、姿勢による骨盤・股関節の変化を正しく理解することは非常に重要です。

□研究の背景
臼蓋形成不全・発育性股関節形成不全は、臼蓋に対する大腿骨頭の被覆が不足している状態を指します。この変形は股関節の不安定性や異常な関節荷重を引き起こし、やがて変形性股関節症へ進行するリスク因子となります。医療機関で行われる股関節の形態評価では、通常仰臥位のX線画像を用いて前額面画像が撮影されます。しかし、背臥位で撮影された画像は、日常生活で多い立位での股関節機能を正しく反映できていない可能性があります。

□研究概要
2009〜2016年に骨盤骨切り術を受けた65名の臼蓋形成不全・発育性股関節形成不全患者が対象となり、背臥位および立位での骨盤X線写真とCT画像を用いて、主要な画像パラメータを比較した内容となります。

□研究結果のポイント
1つ目は、骨盤は立位で後傾する事です。背臥位と比較して立位になると骨盤が後傾(腰の部分の猫背)する傾向がある事に加えて、個人差が大きいことが確認されました。

2つ目は、立位で前上方被覆(臼蓋が大腿骨頭を支える面積)が減少する事です。立位での骨盤後傾に伴い、立位での前上方被覆不足が明らかになりました。

3つ目は、 骨盤後傾の程度は年齢・性別・BMIとは無関係という事です。先に述べた骨盤後傾の程度は、年齢・性別・BMI・臼蓋形成不全・発育性股関節形成不全の左右性などの背景因子とは相関しないことが示されました。

□フィジオセンターでの情報の活用例
骨盤の前後傾に関しては、基本的には立位・もしくはクライアントの方が最も不便を感じておられる動きを分解して、大腿骨頭に対する骨盤の位置関係を確認します。先に述べた骨盤の後傾は、臼蓋被覆を低下させるため股関節が不安定になる事や、股関節の前方部の痛みに関わる事が少なくありません。このような場合は、体幹の深層筋と骨盤を大腿骨頭に対して動きの中で、良い位置関係をキープできるような、エクササイズを実施します。

当センターでは変形性股関節症・臼蓋形成不全・発育性股関節形成不全をお持ちの方で、外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方に対して、変形性股関節症・臼蓋形成不全・発育性股関節形成不全をお持ちの股関節に対して最適と考えられる施術・コンディショニングをご提案しています。

ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP) / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定 BFJ公認野球指導者 基礎I U-15
津田 泰志

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