過去のブログでは変形性股関節症と大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)との関係について解説を行いました。本日のブログでは、スポーツ選手に多く発生する「大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)」について解説します。
□大腿骨寛骨臼インピンジメント(以下:FAI)とは?
FAIは、大腿骨頭と寛骨臼の形態異常によって、股関節の動きの中で骨同士が接触し、関節唇損傷や軟骨損傷を引き起こす疾患です。特にスポーツ選手においては、FAIが股関節痛の最も一般的な原因であることが報告されています。
□FAIは以下の3つの病型に分類されます。
・Cam型:大腿骨頭頸部の首の部分が太くなる変形(ピストルグリップ変形)が生じ、股関節屈曲・内旋時に寛骨臼縁に大腿骨頭が衝突します。
・Pincer型:寛骨臼の前方被覆が過剰で大腿骨頸部が圧迫されます。
・混合型:Cam型とPincer型の両方の特徴を併せ持つタイプです。
□なぜFAIになるのか?
FAIの発症要因としては、遺伝的素因とスポーツ活動による過負荷が挙げられています。特に10代〜20代の成長期に過度な股関節運動(アイスホッケー・サッカー・ラクロスなど)を繰り返すことで、股関節周囲の骨の成長が影響を受け、FAIの骨が変形することが影響します。実際に、両親や兄弟にFAIがある場合は発症リスクが2倍以上になること、成長期に競技レベルでスポーツを行っている選手に高頻度で見られることが報告されています。
□FAIの症状について
典型的な症状は股関節前面の鈍痛や詰まり感で、特に屈曲・内旋時に悪化します。症状は鼠径部から大腿内側、時に大腿外側に放散し、「C-sign」と呼ばれる患者が股関節周囲をC字型に指差す訴えが特徴的とされています。また、長時間の座位や立ち上がり動作、スポーツ活動後に痛みが増悪しやすいことが報告されています。
□まとめ
FAIは単なる「股関節のかたさ」や「痛み」の裏に変形性股関節症の前段階として潜んでいることが多く、早期対応が重要だと考えます。特にスポーツ選手や若年層で股関節前面の痛みや詰まり感がある場合は、FAIの可能性を疑い、医療機関への受診や、適切な評価と運動療法を開始することが重要です。
当センターでは、FAIを含めたアスリートに対する施術・コンディショニングを行っています。 「股関節の痛みがなかなか良くならない」「スポーツ復帰を目指したい」方は、ぜひ一度ご相談ください。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP) / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト BFJ公認野球指導者 基礎I U-15
津田 泰志