側弯症の治療において、装具の装着はとても重要な役割を果たします。しかし「長時間の装着がつらい…」という声もよく聞きます。そうした場合でも治療の効果を高めるためには、側弯体操(ストレッチや柔軟体操など)をしっかりと併用することが極めて大切です。
装具の基本的な装着方法
装具の装着には主に2つのスタイルがあります:
1. フルタイム装着(Full-time)
- 1日22〜23時間装着する方法です。就寝中も着用します。
- 理由:骨の成長は夜間に活発なため、矯正効果を高めるためです。
- 入浴時や食事中など一時的に外しても問題ありませんが、その際には必ず柔軟体操をしてください。
2. パートタイム装着
- 医師の指示があれば、学校や活動時間を除いた夜間中心の装着もありますが、これは例外的な運用です。
体育・クラブ活動について
- 基本的には装具をつけたまま運動をすることは可能です。
- ただし、器械体操、鉄棒、柔道、ラグビーなど、装具の構造や安全性に影響がある種目は避けてください。
- やむを得ず外す場合は、養護教員や担任と相談の上で体制が整っていることが条件です。
夏場の工夫とアレルギー対策
- 暑い時期は下着をこまめに替えたり、涼しい場所で過ごすなど工夫して継続しましょう。
- 皮膚が弱い、アレルギーがある場合は、必ず医師に相談してください。
装具治療のこころ構え
- 装具は体と心に負担をかけることもあります。
- 自覚症状が少ないことで「なぜ装具が必要なの?」と疑問に思う方もいますが、装具が処方されたのは、側弯が進んでmさらに進行する可能性が高い時期だからです。
- どうしても装着できないときは一時的に外しても構いませんが、そのまま装具を中断したりすることは、避けてください。
- 夏に一時中断したとしても、気候が落ち着いたら再開しましょう。
最後に:装具だけに頼らない、体操との併用も重要です!
装具がつらいとき、体操だけで支える意識を持つことが大切です。特に、姿勢を整え、体幹を鍛える体操(シュロス側弯症体操など)は、治療の質を高める大きな味方になります。装具装着が長時間難しい方は、体操療法を取り入れて進行予防や改善に役立てましょう。
東京慈恵医科大学病院E棟2階 フィジオセンター
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シュロス法側弯セラピスト 大田