側弯症の矯正固定術から十数年後に現れる肩甲骨内側の痛み・腰痛について セルフエクササイズで根本的な解消を!!

側弯症の矯正固定術から十数年後に現れる肩甲骨内側の痛み・腰痛について セルフエクササイズで根本的な解消を!!

側弯症に対する矯正固定術を受けてから10年、15年と長い年月が経過した後に、

「肩甲骨の内側がいつも痛い」
「背中のこりが強く、マッサージをしてもすぐに戻ってしまう」
「最近になって腰痛を感じるようになった」

といった症状に悩まれる方がいらっしゃいます。

このような場合、「手術をした脊柱にできるだけ負担をかけずに、痛みやこりを改善したい」と考えるのは当然のことです。

では、なぜ手術から長い年月が経ってから、このような症状が現れるのでしょうか。

脊柱が矯正されても、胸郭や肩甲骨の左右差が残ることがあります

特に、手術前に胸椎の側弯カーブが強かった方では、脊柱そのものは手術によってある程度矯正されていても、長年の側弯によって生じた肋骨や胸郭の変形・左右差が残っていることがあります。

胸椎の側弯では、単に背骨が横方向に曲がるだけではなく、椎体の回旋を伴い、それに関連して肋骨や胸郭の形状にも左右差が生じます。

そのため、脊柱が矯正・固定された後も、肩甲骨が乗っている「土台」である胸郭には左右差が残り、肩甲骨の位置や動きが不安定になることがあります。

肩甲骨内側の痛みは「筋肉が硬い」だけとは限りません

肩甲骨は胸郭の上を滑るように動いています。

胸郭に左右差が残っていると、肩甲骨が安定しにくくなり、その位置を保つために周囲の筋肉が常に働かなければならない状態になることがあります。

また、胸郭と肩甲骨の位置関係によっては、一部の筋肉が過剰に伸ばされた状態のまま負担を受け続けることもあります。

その結果、

・肩甲骨の内側が痛む
・背中が常に張っている
・強い「こり」を感じる
・同じ姿勢を続けるとつらくなる

といった症状につながることがあります。

ここで重要なのは、「痛い筋肉=縮んで硬くなっている筋肉」とは限らないということです。

むしろ、肩甲骨や胸郭の位置関係によって筋肉が伸ばされた状態で負担を受け続け、その結果として痛みや強い緊張感が生じているケースもあります。

腰痛も上半身のアライメントと関係することがあります

側弯症の矯正固定術後にみられる腰痛についても、腰だけの問題として考えないことが重要です。

脊柱の一部が固定されている場合、身体は残された可動性を使いながら、立つ、歩く、座る、物を持つといった日常動作を行っています。

このとき、胸郭や肩甲帯を含めた上半身のアライメントが崩れていると、そのバランスを補うために腰椎や骨盤周囲へ負担が集中することがあります。

特に、腰椎や骨盤周囲に圧迫・剪断・捻りなどの力学的ストレスが繰り返し加わることで、腰痛につながる可能性があります。

つまり、腰が痛いからといって、必ずしも原因が腰だけにあるとは限らないのです。

痛いところをほぐすだけでは、なぜ症状が戻ってしまうのか

肩甲骨周囲の痛みや腰痛に対して、マッサージやストレッチなどによって筋肉をほぐしたり、血流を改善したりすることで、一時的に症状が軽くなることはあります。

しかし、症状の背景に胸郭・肩甲骨・骨盤などの位置関係や身体の使い方の問題が残っていれば、日常生活に戻ったときに再び同じ場所へ負担がかかります。

そのため、

「治療を受けた直後は楽になるけれど、数日するとまた痛くなる」

ということを繰り返してしまうことがあります。

大切なのは、痛みのある場所だけを見るのではなく、なぜその場所に負担が集中しているのかを考えることです。

肩甲骨と胸郭のアライメントを整える

このような症状に対するリハビリテーションでは、固定された脊柱を無理に動かしたり、強い矯正力を加えたりするのではなく、手術後の身体の状態を十分に考慮して進める必要があります。

例えば、

・胸郭と肩甲骨の位置関係を評価する
・肩甲骨を安定させる筋肉の働きを改善する
・過剰に負担を受けている筋肉を確認する
・呼吸に伴う胸郭の動きを利用する
・上半身と骨盤の位置関係を整える
・改善したアライメントを維持できるように筋力トレーニングを行う

といったアプローチが重要になります。

単に「硬いところを伸ばす」「痛いところをほぐす」のではなく、身体がより負担の少ない位置で安定できるように再学習していくことがポイントです。

上半身を整えることが腰への負担軽減につながる

肩甲骨や胸郭のアライメントを改善する目的は、肩や背中の症状を軽減することだけではありません。

上半身の重心位置や左右のバランスが改善すると、身体を支える腰椎・骨盤周囲に加わる余分な力学的ストレスを減らせる可能性があります。

そのため、側弯症矯正固定術後の腰痛に対しても、

「腰が痛いから腰だけを治療する」のではなく、胸郭・肩甲骨・骨盤を含めた身体全体のバランスを評価する

という視点が大切です。

手術後の身体だからこそ、無理に動かさないリハビリテーションを

側弯症の矯正固定術を受けた方の場合、一般的な腰痛や肩こりと同じ方法がそのまま適しているとは限りません。

固定されている脊柱の範囲、手術前の側弯カーブ、現在残っている胸郭の左右差、肩甲骨の位置、腰椎・骨盤の状態などは、一人ひとり異なります。

特に大切なのは、固定された脊柱を無理に動かそうとするのではなく、現在の身体の状態に合わせて、胸郭・肩甲骨・骨盤のアライメントや筋活動を整えていくことです。

手術から長い年月が経過してから現れた肩甲骨周囲の痛みや腰痛についても、「手術をしているから仕方がない」と考えるのではなく、現在どこに負担が集中しているのかを評価し、その原因に合わせた運動療法を行うことが重要です。

長年続く肩甲骨の内側の痛みや右肩の張りでお困りの方は、ぜひ一度フィジオセンターへご相談ください。

東京慈恵医科大学病院 E棟2階 フィジオセンター

 問い合わせ:info@physiocenter.jp

TEL:03-6402-7755

フィジオセンター
理学療法士 :大田(国際シュロス側弯症セラピスト)

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