本日は、野球選手に関わる腰椎分離症の予防について解説します。
腰椎分離症とは、スポーツ動作によって繰り返される腰部の伸展(反る動き)・回旋(捻る動き)時に発生するストレスを原因とする疲労骨折を指します。成長期のスポーツ選手に発生する事が多いとされています。加えて、オーバーユース(使いすぎ)が原因に加えられる事もありますが、チームなどの集団を見ても、腰椎分離症を発症してしまう選手は一部であり、腰椎分離症を発症する選手は一定の傾向を持っている印象があります。大きく考えて以下の要因が考えられます。
①股関節の固さ(関節可動域の制限)がある:
股関節の可動域制限がある場合に腰椎の負担が増加します。特に股関節の伸展(骨盤に対する大腿部の後ろの動き)・内外旋(骨盤に対する大腿部の捻りの動き)が低下している際には、ピッチングやバッティングの動きの際に腰部の過剰な伸展(反る動き)・回旋(捻る動き)で股関節の固さを補う事でストレスが増大していると考えられます。
②胸椎・肋骨の固さ(関節可動域の制限)がある:
普段から猫背の姿勢の場合、体の重さが後方に位置するため、どこかで重心を前方に修正する必要があります。この場合、腰椎の下の部分で過剰に伸展(反る)の動きを作り修正する事に加えて、猫背の場合は背骨全体に捻る動きが出にくくなる事から、腰部が過剰に動いてしまう場合が少なくありません。野球は回旋(捻り)の動きが特に多いスポーツになります。腰部だけではなく、体全体の関節で回旋(捻り)の動きを作る事が大切です。
③足指を上手に使う事ができない:
立った姿勢でバランスを取る場合、足部や足指を上手に使う事で股関節の過剰な筋肉の活動が軽減する事がわかっています。足部・足指が上手に使えない場合、股関節や腰部でバランスを修正する割合が高くなるため、結果として腰部のストレスが増大する印象があります。
このような傾向は、腰椎分離症を発症する選手のかなり高い割合でお持ちである事が多く、スポーツ障害の予防や再発予防の観点からも重要であると考えています。フィジオセンターでは、柔軟性を保つためのストレッチ・特定の関節や筋肉に余分な固さを作らないためのエクササイズ・トレーニングを併せて実施し、自宅での運動メニューについても実施方法を確認します。
フィジオセンターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となります。その選手のお体の傾向を確認し、オーダーメイドのコンディショニング・トレーニングを実施します。加えて、医療機関での診察やリハビリテーションとの並行したご利用も可能です。
ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお気軽にお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志