漏斗胸でお悩みの方 体操療法も有効です。

漏斗胸でお悩みの方 体操療法も有効です。

漏斗胸(ろうときょう)は、胸骨が内側に沈んだ状態の先天性疾患であり、呼吸機能や胸郭の可動性に影響を与えることがあります。このような症状に対して、体操やリハビリテーションが効果を発揮することが知られています。以下に、漏斗胸に対する体操の効果について説明します。

1. 呼吸機能の改善

漏斗胸では、胸郭の変形により肺が十分に拡張できず、呼吸が浅くなることがあります。呼吸筋を強化する体操や胸郭を広げるためのストレッチを行うことで、胸郭の可動性が向上し、呼吸が深くなり、酸素の取り込みが改善されることがあります。特に、横隔膜呼吸胸郭拡張エクササイズが効果的とされています。

2. 柔軟性の向上

漏斗胸により、胸椎や肋骨の可動域が制限されることがありますが、ストレッチや姿勢矯正エクササイズを継続的に行うことで、胸郭や肩回りの柔軟性が改善されます。これにより、体全体の姿勢も良くなり、日常生活での動きがより快適になるとされています。

3. 姿勢の改善

漏斗胸の患者では、胸部の形状により前かがみの姿勢が強調されがちです。このような姿勢の悪化は、筋肉のアンバランスを引き起こし、さらなる身体機能の低下を招きます。体操やリハビリテーションでは、胸部のストレッチ背部の筋力強化を組み合わせることで、姿勢の改善が期待できます。

参考文献

漏斗胸に対する運動療法の有効性を支持する論文には以下のようなものがあります。

  • Haller JA, Loughlin GM. Pectus excavatum: diagnosis and treatment. Current Problems in Surgery. 2000; 37(6):401-450.
    • この論文では、漏斗胸に対する手術的治療のみならず、運動療法の役割についても言及されています。特に、胸郭の柔軟性を高め、呼吸機能を改善するエクササイズの有効性が強調されています。
  • Park HJ, Lee SY, Lee SJ, Lee CS. Effects of corrective exercises on posture and respiratory function in patients with pectus excavatum. Journal of Physical Therapy Science. 2014; 26(9):1401-1404.
    • この研究では、漏斗胸の患者に対して矯正運動が姿勢と呼吸機能に与える影響を調査しています。体操により、胸部の可動性が改善し、呼吸の質が向上したことが報告されています。

もし漏斗胸と診断され、ご心配されておられましたら、フィジオセンター、担当の大田(理学療法士、シュロス側弯症セラピスト)が予防と改善のための体操をご指導させていただきます。ご連絡ください。

フィジオセンター:

 〒105-0003 東京都港区西新橋3丁目19−18 東京慈恵医科大学附属病院E棟2階

E-mail: info@physiocenter.jp (担当 大田)

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