前回のブログで、変形性股関節症をお持ちの方は腰の筋肉を過剰に使ってしまう傾向がある事を、ご説明しました。
今回のブログでは、変形性股関節症をお持ちの方の運動に関わる筋肉のリクルートメントについて解説します。この場合の、『リクルートメント』とは筋肉が動員されるタイミングを指します。基本的には股関節を動かす場合、体幹と股関節のインナーマッスルが先行して働き、その後に関節に対して大きな作用を持つアウターマッスルが働くとされています。変形性股関節症をお持ちの方の場合、この筋肉が働くタイミングや順序に乱れが生じる事がわかっています。代表的な2つの理由について解説します。
1.筋力低下による影響
変形性股関節症を持つ場合、股関節周囲の筋力が全般的に低下しやすい事がわかっています。特に中殿筋や大殿筋を中心としたお尻の筋肉の筋力が低下し易い反面、アウターマッスルである大腿直筋・大腿筋膜張筋・ハムストリングの活動が過剰になり易い傾向があります。この結果、歩く際や立ち上がる際に、股関節に余分な負担をかけてしまう可能性があります。
2.筋肉の脂肪浸潤
筋肉の脂肪浸潤とは、筋肉の線維の中に観察が可能な脂肪組織がある事を指します。股関節のインナーマッスルに、この脂肪浸潤が起きてしまうと、インナーマッスルの機能が低下しアウターマッスルの筋肉のの活動が優位になってしまいます。
フィジオセンターでは、変形性股関節症をお持ちの方にこのような背景がある事を把握した上で、股関節や体幹の筋肉のバランスを修正する事、具体的には普段からより活動が優位なアウターマッスル働きをストレッチやリリースを行う事で抑制し、股関節や体幹のインナーマッスルが、歩く際や立ち上がりの際に、適切なタイミングで働く事を促すように施術・コンディショニングを実施しています。
フィジオセンターは保険外・自費でのリハビリテーションサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、全身的に姿勢や動きを拝見して、どのような体の使い方を行う事で股関節の負担を軽減する事ができるか、その方にとってオーダーメイドの施術・コンディショニングをご提案しています。ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志