過去のブログで変形性股関節症をお持ちの方の場合、大腿骨の関節面と接する骨盤の対応が大きく2つに分けられる事をご説明しました。比較的年齢のお若い方は骨盤を前傾(反り腰)の姿勢となり、股関節の支える面積を広げる対応を取る事が多くみられます。一方で、ご年齢を重ねている方については骨盤を後傾(腰骨の部分の猫背)になってしまう事が多くみられます。
本日のブログでは、この骨盤の前傾と後傾がどのような要素によって影響を受けるかをご説明します。
1つ目は股関節の関節可動域です。変形性膝関節症を持つ場合、股関節の伸展(骨盤に対する大腿部の後方への動き)の動きが固くなり易いため、この部分の制限が強くなると立った姿勢の際に骨盤は前傾します。
2つ目は脊柱全体の柔軟性(柔らかさ)です。ご年齢を重ねられると、背骨の間にある椎間板の水分が減少してしまう事や、骨粗鬆症の合併等により背骨全体の柔軟性が低下する事や、猫背の姿勢となってしまう事がみられます。この場合、骨盤は後傾し易く、加えて変形のある股関節の支える面積が少なくなるため関節の負担が大きくなる事が想定されます。
3つ目は骨盤に付着する筋肉のバランスです。骨盤を横から見た際には、骨盤を前傾方向に作用(引く)する筋肉と後傾方向に作用(引く)する筋肉があり、これらの筋肉の緊張や筋力のバランスの影響を受けます。これらの筋肉は、股関節の不安定性の影響や姿勢の影響も受けます。
実際には、これら3つの要素以外の影響や、これらの要因がお互いに影響しあっている場合が多いと考えられます。フィジオセンターでは、これらの要素を事前に把握した上で、その方の股関節の状態や日常生活でのお困りごと、実際の動きの中でどのような修正を行う事で変形性膝関節症をお持ちの股関節の負担を軽減できるのかを検討し、施術・コンディショニングを進めています。
フィジオセンターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、変形性股関節症をお持ちの股関節だけではなく、全身的に姿勢や動きを拝見して、どのような体の使い方を行う事で股関節の負担を軽減する事ができるかをご提案しています。ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志