過去のブログでは、形性股関節症のお持ちの方場合、定期的な運動療法やエクササイズの実施が中・長期的に股関節の疼痛軽減や関節の機能を保つ上での重要である事についてご説明しました。
本日のブログでは、変形性股関節症をお持ちの方が運動療法やエクササイズを行っていく場合に、どの程度の運動強度で行う事が望ましいのかについて解説します。
日本国内のガイドラインである、『変形性股関節症診療ガイドライン2024』の中には、運動強度に関しては、強度にかかわらず疼痛緩和に効果があったとの報告はあるが、運動の種類と同様に、一定したコンセンサスは得られていないのが現状である。との一文があります。また、欧州のガイドラインでも関節内の炎症が疑われる場合は低強度の運動が望ましいと考えられていますが、変形性股関節症の進行の度合いに合わせて判断する運動強度については、わかっていない部分が大きいようです。
考えられる理由としては、レントゲン撮影などで医師が確認する変形の程度と実際の疼痛の程度が、股関節においてもかならずしも一致しない点や、痛みを出している組織が対象者ごとに異なるため、画一的な運動を提供しても安定した効果を出す事が難しい部分がある、といった解釈もできるかと思います。
フィジオセンターでは、変形性股関節症をお持ちの方に対して、痛みの場所が炎症が疑われる関節の中が原因なのか、それとも関節の外にある筋肉やその他の軟部組織の影響による痛みか、それとも両方の要素をお持ちなのかを理学的所見をとりながら可能な限り確認をしていきます。関節内に炎症が疑われる場合は、股関節に対しては低負荷のエクササイズを行い、その他のアプローチとして体幹のインナーマッスルの機能改善・胸郭や上半身の柔軟性の改善・足部機能の向上などを図り股関節の機能をサポートするアプローチを行います。また、痛みの部位が関節外の場合は、痛みに関わっていると考えられる筋肉や軟部組織の柔軟性を高めるアプローチを行う事、股関節に対しても適切な筋力増強練習を実施し、セルフエクササイズとしはプールでのウォーキングや陸上でのウォーキングなどをご提案しています。
フィジオセンターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、変形をお持ちの股関節の機能を出来るだけ発揮できるような働きかけだけではなく、全身的に姿勢や動きを拝見して、どのような体の使い方を行う事でより良い動きになっていけるかを確認して施術・コンディショニングを提案しています。ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志