変形性股関節症と立ち上がり動作の速さについて

変形性股関節症と立ち上がり動作の速さについて

過去のブログでは、変形性股関節症をお持ちの方の立ち上がり動作の特徴と対応方法の例について解説しました。

本日のブログでは、その立ち上がり動作の速さに着目して、動作の速さが股関節に加わる力の強さについて解説します。

人は概ね1日に60回程度の立ち上がり動作を行っていると報告されており、普段のお仕事の状況や生活習慣によってもこの回数は異なる事が予想されます。対象者の方々の立ち上がりの動きを観察すると、痛みの影響・関節の可動域制限・筋力低下などの影響により、立ち上がり動作の速度が低下しており、立ち上がりに時間がかかる方が多くおられます。バイオメカニクスの研究では、健常の高齢者の方を対象に立ち上がり動作の速さを規定して、股関節に加わるモーメントインパルス(関節にかかる回転の力とその継続時間)を計測された研究があります。その結果、立ち上がり動作の時間が長いほうが、このモーメントインパルスが大きいことが確認されています。つまり、立ち上がり動作により長い時間がかかったほうが、股関節に加わる力が大きくなってしまうと考えらえます。

変形性股関節症をお持ちの方の場合は、先に述べた通り、痛みなどの原因があり立ち上がり動作が遅くなってしまう事がほとんどかと思いますが、その股関節をかばう動き自体がより変形のある股関節に余分なメカニカルストレスを加えてしまっている可能性が考えられます。

フィジオセンターでは、日常生活で立ち上がり動作の頻度が高く、痛みの原因に立ち上がり動作が関与している場合は、可能な範囲で立ち上がり動作の速さを保ち股関節の負担を軽減することにチャレンジします。お身体の機能の面としては、立ち上がり動作に必要な股関節の可動域を確保する事、体幹の位置関係を整えて股関節のインナーマッスルの機能をサポートするような体幹深層筋のエクササイズを行う事、立ち上がりに必要な大殿筋・大腿四頭筋のエクササイズなどを実施します。環境面においては椅子の高さを適切な高さに調整する事、椅子の座面を適切な固さに調整する事(座面が柔らかすぎると座骨で座面を押す事が難しくなります)、手すりなどの手のサポートを準備する事などを合わせて検討していきます。

フィジオセンターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、カウンセリングや生活習慣をお伺いするのに十分に時間を確保する事が可能です。また変形をお持ちの股関節の機能を出来るだけ発揮できるような働きかけだけではなく、全身的に姿勢や動きを拝見して、どのような体の使い方を行う事でより良い動きになっていけるかを確認して施術・コンディショニングを提案しています。 ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト 
津田 泰志

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