過去のブログでは、睡眠の時間や睡眠の質が変形性股関節症をお持ちの方の痛みに関係する可能性について解説しました。本日のブログでは、睡眠時の姿勢と痛みの関係について、考えられる点を解説します。
変形性股関節症をお持ちの方の場合、就寝時に仰向けで寝ていると股関節に痛みが出現して目が覚めてしまう。とお伺いする事があります。このような場合、考えられる原因は大きく2つ挙げられます。
1つは股関節内での炎症を起こしている可能性です。股関節は、足をしっかり延ばした状態では、関節包(関節を包む袋のようなもの)内の内圧が高まり易いと考えられています。運動量が多すぎる事、股関節への負担が大きくかかった状態が続くと関節内の炎症によって、関節内の内圧がより高まってしまう事が痛みの原因と考えられます。
2つめは特定の筋肉の固さや短さ、関節の固さによるものです。変形性股関節症をお持ちの場合、関節の固さは股関節の伸展(太ももが骨盤に対して後方へ移動する動き)方向へ起こりやすく、そもそも仰向けで寝るための関節可動域が不足する事や、股関節を屈曲(太ももがお腹に近づく動き)する筋肉が短くなる事でも就寝時に疼痛が出現する事があります。
1つ目の関節内での炎症が原因と考えられる場合の対応方法としては、仰向けで眠る場合については大き目のクッションを太ももや膝の下に入れる事で股関節を若干曲げた姿勢にする事が挙げられます。この位置関係を保つ事で関節の内圧が高まりにくい状況を作る事ができます。また、仮に関節内に炎症が起こっている場合は、体重をかけた状態での積極的な運動は控える事が望ましく、炎症が落ち着かれるまでは、歩く歩数や歩く時間の調整を行う事、可能であれば杖・ノルディックウォーキングのポールなどを使用して股関節の負担を軽減する事が重要です。
2つめの特定の筋肉の固さや短さ、関節の固さによる原因の対応方法としては、痛みがない範囲で定期的に、柔らかめのストレッチはリリースを行い筋肉の柔軟性や長さを保つメンテナンスを行う事です。ただ、ご自身で行うストレッチだけでは特定の筋肉を分けて伸ばす事や緩める事は難しい場合もあり、理学療法士などの股関節の構造や筋肉の走行について理解しているスタッフの協力が得られるとより良いと考えます。
フィジオセンターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、変形性股関節症をお持ちの股関節の機能を出来るだけ発揮できるような働きかけだけではなく、全身的に姿勢や動きを拝見して、どのような体の使い方を行う事で、長期的により良いサポートする事が可能かを確認して施術・コンディショニングを提案しています。
ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお気軽にお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志