変形性股関節症と広背筋との関係について

変形性股関節症と広背筋との関係について

過去のブログでは変形性股関節症をお持ちの方において、脊柱起立筋(背中の筋肉)の活動が強くなり、腰痛や脊柱の柔軟性の低下の原因となることをご説明しました。

本日のブログでは、仙腸関節の安定性や背中の固さ・肩関節の動きにも関与する、広背筋と変形性股関節症との影響について解説します。

広背筋は、胸椎や腰仙椎の棘突起・骨盤の腸骨稜・下部の肋骨・肩甲骨の下角に起始を持ち、上腕骨の小結節に付着する大きい筋肉になります。そのため、この広背筋の固さは変形性股関節症をお持ちの方の動きに関与する事が少なくありません。その大きな2つの理由について述べます。

1つは骨盤内にある仙腸関節の安定性に関与する事です。仙腸関節の安定性を保つための機能の1つとして、筋肉の作用が挙げられます。体幹のインナーマッスルの機能に加えて、広背筋と反対側の大殿筋の機能が共同して働き仙腸関節を安定させる作用を持つと考えられています。変形性股関節症をお持ちの場合、腹横筋を中心とした体幹のインナーマッスルの機能が低下しやすく、広背筋が代償的に強く働く場合があります。この広背筋が強く働きすぎると、反対側の大殿筋の機能ではなく、同側の脊柱起立筋との共同した活動が強くなりすぎて、腰痛や背部痛の原因となる事があります

2つ目は、広背筋の代償的な活動が強くなりすぎると、歩くとき・立った姿勢で何か作業をする際の動きの柔軟性が低下する事です。広背筋は先に述べた通り、幅広い背中の範囲に付着するため、筋肉が固くなると体幹部を柔軟に柔らかく使う事が難しくなってしまいます。肩甲骨や上腕骨に付着するため腕があがりにくくなり、肩関節の動きに影響する事もあります。

フィジオセンターではこのような場合、なぜ広背筋が強く・固くなるほど余分に活動する必要があるのかを理学的な所見をとりながら確認を行います。可能な限り、余分に広背筋が活動しなくても済むように体幹のインナーマッスルの機能を高める事、仙腸関節が良い位置関係で体重を受けられるように関節の位置関係を調整する事などを行います。その上で、広背筋のストレッチや特に固さのある部分についてリリースを行い、体幹部の筋肉のバランスを調整し柔軟性を改善します。

フィジオセンターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、カウンセリングや生活習慣をお伺いするのに十分に時間を確保する事が可能です。また変形をお持ちの股関節の機能を出来るだけ発揮できるような働きかけだけではなく、全身的に姿勢や動きを拝見して、どのような体の使い方を行う事でより良い動きになっていけるかを確認して施術・コンディショニングを提案しています。

ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志

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