昨日のブログでは、大腿骨頸部骨折術後の術創の伸長痛について解説しました。本日のブログでは大腿骨頸部骨折術後とセルフエクササイズの見直しについて解説します。
以前に述べたように、大腿骨頸部骨折受傷後、早期に手術を行うことで、患者様の機能回復を促進し、ベッド上での安静期間を短縮することができます。しかしながら、現代の医療体制では、入院期間が短縮される傾向があるため、患者様が十分なリハビリテーションを受ける機会が制限される場合があります。また、外来でのリハビリテーション、介護保険を利用したリハビリテーションサービスは、提供される時間や頻度に制限があります。
こうした背景の中で、セルフエクササイズが重要な役割を果たします。セルフエクササイズとは、患者様自身が自宅などで行う自主的な運動のことであり、術後のリハビリテーションの1つの方法として重要です。具体的には、関節の可動域を広げる運動や、筋力を強化するためのエクササイズが挙げられます。これらの運動は、患者さん自身が主体的に取り組むことで、リハビリ効果を最大限に引き出すことができます。
しかし、セルフエクササイズを効果的に行うためには、適切な運動内容を選び、定期的に見直すことが重要です。一度覚えたエクササイズをそのまま続けるのではなく、対象者の方の身体の状態や回復具合に合わせて運動内容を調整する必要があります。
例えば、術後しばらくして筋力がついてくると、より負荷の高いエクササイズや難易度の高い動作にチャレンジするタイミングが訪れます。この段階では、新たな運動メニューを取り入れることで、さらなる筋力アップやバランス能力の向上を目指します。その一方で、運動中に痛みを感じたり、動きがスムーズにできなくなったりした場合には、その原因を理学療法士などの専門家と一緒に検討することが大切です。筋力低下や関節の可動域の変化、バランス能力の低下が原因となることが多いため、これらの要因に対応した新しい運動メニューを提案することで、より効果的なセルフエクササイズを行う事が可能となります。
フィジオセンターでは、クライアントの方一人ひとりの状態に合わせたエクササイズプログラムの提案と指導を行っています。また、状況によってはクライアントの方の家族様とも連携し、安心してリハビリに取り組める環境を整えるお手伝いをしています。
セルフエクササイズは、患者さん自身が主体的に取り組むことで、より効果を実感しやすくなります。そして何よりも、自分のペースで進められるため、長期間にわたり継続しやすい点が大きなメリットです。
当センターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、大腿骨頸部骨折術後の方のお体の特徴やバランスのとり方の特徴を確認して、必要性の高いオーダーメイドのセルフエクササイズ(ご自宅での運動)のご提案を併せて行っています。
ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお気軽にお問い合わせください。 どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志