変形性股関節症と腹部術後の体幹機能への影響について

変形性股関節症と腹部術後の体幹機能への影響について

昨日のブログでは、変形性股関節症をお持ちの方が感じられる事の多い、歩行時の足の重さについて考えられる理由について解説しました。

本日は、学術的なエビデンスは少ないですが、クライアントの方のお身体を拝見していて気が付く事の多い、腹部術後の体幹機能への影響について解説します。

過去のブログでも述べたように、変形性股関節症をお持ちの方は痛みや変形をお持ちと同側の腹横筋の機能が低下しやすい事をご説明しました。過去の国内での研究では、エコーを用いた研究で腹横筋の筋厚(筋肉の厚さ)の変化が少ない事が指摘されています。

本日述べる開腹術後は、帝王切開や過去に行われた内視鏡の手術などを含みます。これらの術後は、術創の皮膚が大変きれいな状態でも皮膚の動きや、その下にある筋膜や組成結合組織の滑走が術前と比較すると、どうしても低下してしまうため、術創がお腹や股関節に近い鼠径部の場合は腹横筋の周辺組織の滑りが悪くなり筋機能に影響すると考えています。内視鏡のような大変小さい、きれいな術創でも、わずかな術創周囲の滑走不全により腹横筋を中心とした体幹機能の低下や、股関節の関節可動域に影響する事を経験します。

変形性股関節症をお持ちの方は、腹横筋の機能が低下する事が少なくありませんが、この機能低下の原因に先に述べた腹部術後の影響が関わる事があります。特に内視鏡の術後や虫垂炎などの小さい術創は、クライアントの方ご本人が体幹の深層筋の機能や股関節の機能に影響しているとは考えておられない場合が多いため、詳細に既往歴などをお伺いするようにしています。

フィジオセンターでは、変形をお持ちの股関節の機能を高めるために、腹横筋を中心とした体幹深層筋の機能が低下している理由を理学的所見を用いて確認します。仮に腹部の術創部の皮膚や筋膜・組成結合組織の滑走が悪い事が問題の場合は、徒手的に固い部分をリリースする事・エンダモロジーなどを用いて動きの悪い部分の滑走を改善する事・高周波温熱器の機器を用いて血流を増加する事などを用いてアプローチを行います。

当センターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、変形をお持ちの股関節の機能を出来るだけ発揮できるような働きかけだけではなく、全身的に姿勢や動きを拝見して、どのような体の使い方を行う事でより良い動きになっていけるかを確認して施術・コンディショニングを提案しています。ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。

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理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志

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