過去のブログでは、変形性股関節症をお持ちの方は、臼蓋形成不全のように構造的な影響を受けて変形性股関節症を発症されている方々が多い事をご説明しました。
本日は、変形性股関節症と大腿骨の頚部の捻じれの角度である、『前捻角』との影響について解説します。
私たちの大腿骨は上部に大腿骨頭があり、この部分が骨盤の中にある臼蓋に収まって股関節を形成しています。この大腿骨は正面からみて前方に捻じれて角度がついています。この角度を『前捻角』といいます。この前捻角は、15~20°程度が正常範囲とされています。
前捻角が大きい場合は、股関節前方の臼蓋被覆(支える面積)が低下しやすくなるため、股関節の前方の不安定性を補うため股関節を内旋位(大腿部を内側)となり易くなり、X脚にみえる事があります。
この前捻角が大きい場合は、歩行時の股関節・膝関節に対するメカニカルストレスが増加する事がシュミレーション研究で明らかになっています。この前捻角は研究で行われるレベルでは、MRIなどで計測される事もありますが、リハビリテーションの場面では『クレイグテスト』と呼ばれるうつ伏せの姿勢で行う検査で、前捻角の程度を確認する事が可能です。
変形性股関節症に加えて、臼蓋形成不全などが発症に影響している場合に、元々股関節が不安定な状態に加えて大腿骨頭の前捻角が強い場合、更に股関節の前方が不安定となり易いと考えられます。骨盤帯や大腿骨の骨の形状は運動や生活習慣などでは変える事が難しいため、筋肉の作用を調整する事や生活習慣の中で股関節に余分な負担をかけないような動きを事前に確認しておくことが大切です。
フィジオセンターでは、普段お持ちの症状をお伺いする中で、大腿骨頭の前捻角が影響していると考えられる場合、クレイグテストを用いて前捻角を確認し、どのような筋肉の作用を高める事で股関節の不安定を補う事ができるのか、どの筋肉の過剰な緊張が悪影響を及ぼしているのかを確認して施術・コンディショニングを進めています。
当センターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、変形をお持ちの股関節の機能を出来るだけ発揮できるような働きかけだけではなく、全身的に姿勢や動きを拝見して、どのような体の使い方を行う事でより良い動きになっていけるかを確認して施術・コンディショニングを提案しています。ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。
年末年始休業のお知らせ
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理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志