股関節に加わるストレスと身体活動について

股関節に加わるストレスと身体活動について

昨日ののブログでは、変形性股関節症と歩行の矢状面(横から見た面)のフォームとの関係について解説しました。本日のブログでは、股関節に加わるストレスと身体活動について解説します。

股関節は、骨盤の臼蓋と大腿骨の大腿骨頭で構成される関節で、多方向に動きく事が可能です。そのため、歩行や階段昇降などの運動時には股関節への負荷(接触応力)が変化します。特に、早く歩く事やランニング、階段昇降などの運動は股関節への接触応力(関節へのストレス)を増加させることが報告されています

2023年に発表されたシステマティックレビューでは以下の内容が報告されています。

通常の歩行(時速4~5km)では、股関節への接触応力は比較的低いです。しかし、速歩(時速6~8km)になると股関節への負荷が増加します。歩行速度の上昇に伴い股関節に加わる負荷が増加する事から適切な歩行速度で歩く事が大切です。

階段の上り下りでは、上る動作は股関節の屈曲角度が大きくなり、関節内の接触応力が増加します。階段を下る動作では接触応力がさらに増加して、股関節への負荷が集中します。変形性股関節症をお持ちの方は、階段昇りの際に手すりを活用し、衝撃を軽減することが推奨されています。

ランニングは、通常の歩行よりも股関節への負荷が約2~3倍に増加します。着地の時の床から返ってくる衝撃が大きく、長時間のランニングは股関節への負担を増やす可能性があります。変形性股関節症をお持ちの方は、ジョギングよりもウォーキングや水中運動が推奨されています。

フィジオセンターでは、変形性股関節症をお持ちの場合や股関節に加わる慢性的な負荷が症状を出している理由と考えられる場合以下のようなアプローチを行います。

歩行については先にも述べられていますが、正しい歩行速度の設定と歩数の管理が大切です。速歩は股関節へのストレスを増やすため、痛みの程度に応じて適切な速度を調整します。加えて歩数もスマートフォンの万歩計の機能を使用して、1度に歩く距離を管理することを推奨しています。また、痛みや関節内の炎症が疑われる場合は、T字杖の使用やノルディックウォーキングのポールなどを使用して、股関節の負担を軽減します。

階段昇降については、手すりを使用し足部全体を安定してステップに置く事を推奨します。痛みがある場合や関節内の炎症が疑われる場合は、エレベーターやエスカレーターの使用をお勧めしています。

股関節へのストレスは、運動の種類や強度によって大きく変化します。 特に、変形性股関節症をお持ちの方の場合はは正しい運動選択が重要です。フィジオセンターでは、股関節の状態を理学的評価を用いて確認して、個々の患者さんに適した運動プログラムを提案します。 立位姿勢の修正が必要か歩行の修正が必要か、股関節の関節可動域の確保が大切か、特定の筋肉に対するエクササイズの優先順位が高いのか、歩行補助具使用の必要性が高いのか、などをご相談しながらサポートを行っています。

当センターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、変形をお持ちの股関節機能だけではなく、立位姿勢や歩行のフォームを確認しながら、股関節の機能を出来るだけ発揮できるような施術・コンディショニングを実施しています。

ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。 

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志

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