先日のブログでは、股関節に加わるストレスと身体活動について解説しました。本日のブログでは、変形性股関節症と関節包の厚さとの関係について解説します。
関節包とは、関節を包み込んでいる袋のような組織のことです。関節を安定させたり、関節液を保持してスムーズな動きを助けたりする重要な役割を持っています。股関節の場合は正常の場合でも前方が若干厚みがある事がわかっています。
近年の研究では、変形性股関節症をお持ちの方の関節包の厚さが、股関節の安定性や可動性に影響を与えることが示唆されています。特に、発育性股関節形成不全(DDH)に由来する二次性変形性股関節症の対象者の方では、関節包の厚さが変化することが報告されています。
2024年に発表された研究では、股関節の不安定性や変形性股関節症の原因となる事のある、発育性股関節形成不全をお持ちの方で、股関節のシャープ角(股関節の臼蓋被覆を表す値)が大きく、関節の支える面積が少ない場合に前方の関節包が厚くなっていた事が確認されています。
こちらの研究は、ご献体の解剖から用いたデータのため、どのタイミングで前方の関節包が厚くなったかは不明ですが、考え方の1つとして股関節前方の安定性を高めるアプローチを行う事は大切ではないかと考えています。
フィジオセンターではこのような場合、対象者の方が特にお困りの動きを確認します。どのような動きでどのタイミングで、痛みなどの不具合が出現するかをお伺いして、痛みが出現している組織にどのような力やストレスが加わっているかを確認します。股関節前方に痛みが出現する場合も、痛みが不具合が出現するタイミングで関節の支え方が不安定になったり、筋肉の働くバランスが大きく崩れる場合があります。この原因に対して、関節の支える適切な動きを促したり、必要な筋肉の活動を促す、施術・コンディショニングを実施します。
当センターは保険外・自費でのサービス(保険外リハビリテーション・自費リハビリテーション)となるため、変形をお持ちの股関節機能だけではなく、トレードオフの関係のある足関節や膝関節の機能との関わりや。立位姿勢や歩行のフォームを確認しながら、股関節の機能を出来るだけ発揮できるような施術・コンディショニングを実施しています。
ご興味のある方はホームページまたは、お電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志