歩行中の体幹前傾の増強と歩行の関係について

歩行中の体幹前傾の増強と歩行の関係について

歩行は私たちの日常生活に欠かせない動作ですが、その効率性や自覚的な快適さは、体の姿勢によって大きく影響を受ける事がわかっています。特に「体幹前傾」と呼ばれる姿勢は、股関節や足全体の動きに大きな影響を与えることが研究によって示されています。本日のブログでは、体幹前傾が歩行にどのような変化をもたらすのかを解説します。

体幹前傾とは、上半身や背骨が前方に傾いた状態を指します。例えば、高齢者の方や腰部脊柱管狭窄症をお持ちの方の場合、無意識のうちに前傾姿勢をとることが多く、歩行においてこの姿勢がどのような影響を与えるのかが注目されています。

バイオメカニクスの研究では、体幹前傾が歩行動作に以下のような影響を及ぼすことが示されています。

一つ目は、股関節の屈曲角度の増加です。体幹が前傾すると、歩行時に股関節の屈曲角度が大きくなることが報告されています。これは、前傾によって骨盤の位置が変わることで、股関節がより屈曲した状態で足が床面に接地しやすくなるためです。

二つ目は足の筋肉の活動パターンの変化です。体幹前傾時には、大腿四頭筋やハムストリングスの筋活動が増加することが確認されています。特に、大腿四頭筋の活動が大きく増えることで、膝への負担が増加する可能性があります。このため、変形性膝関節症のリスクがある方にとっては、体幹前傾が負担を増やす要因となる可能性があります。

三つ目はバランス能力への影響です。体幹が過度に前傾すると、歩行時の横方向への動揺が大きくなる事が指摘されています。これにより、特に高齢者では転倒リスクが高まる可能性があります。

この歩行時の体幹前傾ですが、原因としては体幹伸展筋群の筋力低下と股関節の伸展可動域の制限が要因として考えられています。

このような場合、フィジオセンターでは、脊柱全体の伸展方向への可動域・可動性がどの程度保たれているのか、股関節の伸展可動域は確保できているのか、重力に対して適切に体を起こしていくための体幹のインナーマッスルの機能や脊柱起立筋筋力は保たれているのかなどを確認し、可能な限り歩行が効率的に快適に行えるように、施術・コンディショニングを実施します。

当センターでは、保険外・自費でのリハビリテーションサービスを提供しております。医療機関での外来リハビリテーションが処方・実施されていない方、もしくはリハビリテーションが算定日数制限のため終了された方々に向け、姿勢の修正や股関節・膝関節機能の改善を目的として、機能的な関連の深い体幹のインナーマッスルの機能や足関節との関わりを確認しながら施術・コンディショニングを実施しています。

ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志

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