変形性股関節症と靴下の選び方について

変形性股関節症と靴下の選び方について

変形性股関節症をお持ちの方々にとって、日常生活の中での歩行や立った姿勢での作業中の安定性は重要な課題となります。その中で、足部の環境が股関節にどのような影響を与えるかは興味深いテーマです。特に、靴下の種類が変形性股関節症をお持ちの方々の歩行やバランスにどのような影響を及ぼすのかについて考察してみたいと思います。

現時点では、一般的な靴下と5本指靴下の着用が変形性股関節症にどのような影響を及ぼすかについて、直接的な研究データは確認できませんでした。しかし、実際に臨床現場で対象者の方々のお体を拝見する中で、靴下の違いが足部の機能や歩行に与える影響について一定の傾向があるように感じられます。

5本指靴下は通常の靴下と異なり、足指が個別に包まれる構造を持っています。そのため、以下のような特徴が考えられます。

1つ目は足指が広がりやすくなる事です。5本指靴下を履くことで、足指の横幅が自然に広がる感覚があります。これにより、足底の接地面積が広がり、特に横方向の安定性が向上する可能性があります。

2つ目は足指を細かく動かしやすい事です。それぞれの足指が分かれているため、通常の靴下よりも足指を個別に動かしやすくなると考えられます。変形性股関節症をお持ちの方々にとって、結果として足部の機能が高まることは立位バランスに良い影響を与える可能性があります。

3つ目は歩行時の推進力の向上です。足指が自由に動くことで、蹴り出し時にしっかりと地面を捉えやすくなり、歩行の推進力が高まる印象があります。特に股関節の可動域が制限されている方にとっては、足部の機能で股関節をサポートする事は大切だと考えています。

加えて、変形性股関節症の方の中には、足の内側縦アーチが低下して、足部が柔らかくなっている方も少なくありません。このような場合、アーチの機能を補助するサポート機能付きの靴下が役立つ可能性があります。

注意点を挙げるとすれば、靴とのフィッティングの確認必要な部分になります。5本指靴下を着用すると、足指の横幅が広がるため、普段履いている靴が窮屈に感じることがあります。そのため、靴とのフィッティングを事前に確認することが重要です。

当センターでは、保険外・自費でのリハビリテーションサービスを提供しております。変形性股関節症の診断後に医療機関での外来リハビリテーションが処方・実施されていない方、もしくはリハビリテーションが算定日数制限のため終了された方々に向け、変形をお持ちの股関節に対する施術・コンディショニングだけではなく、長期的にどのような生活習慣が股関節に余分なストレスを加えずに生活できるかを、環境面からも含めてご提案しています。

ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志

一覧に戻る
完全予約制
ご予約はこちら