発育性股関節形成不全が変形性股関節症に与える影響について

発育性股関節形成不全が変形性股関節症に与える影響について

本日のブログでは、発育性股関節形成不全を有する対象者の方と、変形性股関節症の発症リスクの関係について海外論文を一部引用して解説します。

本日ご紹介する研究では、手術を受けていない発育性股関節形成不全をお持ちの対象者について、長期間にわたる変形性股関節症の進行状況とそのリスク因子を調査しました。対象者の方々は、年齢や性別、体重、股関節の形態異常などさまざまな特徴を持つ方々であり、これらの因子が変形性股関節症の進行にどのように関連しているかを統計的に評価しています。

主なリスク因子として挙げられたものとしては、以下の内容が考えられています。
・年齢:高齢であるほど、変形性股関節症のリスクが増加する傾向が見られました。加齢に伴い、関節軟骨の自然な変性が進行する事やや再生能力の低下が進行することが一因と考えられます。

・性別:女性は男性よりも変形性股関節症の進行リスクが高いと報告されています。これは、ホルモンバランスの変化や骨密度の違い、筋力差などが影響している可能性があります。

・体重:過体重や肥満は、股関節への負担を増加させ、変形性股関節症の進行を促進する要因となります。特に発育性股関節形成不全をお持ちの方では、もともと不安定な関節構造に過剰な負荷がかかることで、軟骨損傷が進行しやいと考えられています。

・股関節の形態異常:
股関節の角度や形状の異常が、関節へのストレスを増加させ、変形性股関節症のリスクを高めることが示唆されています。例えば、寛骨臼の被覆不足や大腿骨頭の変形(Cam変形)が、正常な荷重分散を妨げ、局所的な関節面への圧力を増大させます。

・筋力低下と運動不足:
股関節周囲の筋力が低下することで、関節の安定性が損なわれ、変形性股関節症の進行リスクが高まります。また、運動不足は血流の低下や軟骨への栄養供給不足を引き起こし、股関節にに悪影響を与える可能性があります。

フィジオセンターではこられのリスク要因を、お話の中でお伺いする事でリスク要因を把握した上で、生活習慣や施術・コンディショニングでアプローチが可能な点について介入を勧めます。骨盤の臼蓋の形や、大腿骨頭のくびれの形態を変化させていく事は難しいですが、有酸素運動を用いた体重管理・股関節に余分な負担の少ない筋力エクササイズの実施・定期的な体幹インナーマッスルや股関節の安定性に関わる筋肉のエクササイズなどを実施しています。

当センターでは、保険外・自費でのリハビリテーションサービスを提供しております。発育性股関節形成不全や変形性股関節症の診断後に医療機関での外来リハビリテーションが処方・実施されていない方、もしくはリハビリテーションが算定日数制限のため終了された方々に向け、変形をお持ちの股関節に対する施術・コンディショニングだけではなく、長期的にどのような生活習慣が股関節に余分なストレスを加えずに生活できるかを、環境面からも含めてご提案しています。

ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP)/マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志

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