変形性股関節症と杖使用のタイミングについて

変形性股関節症と杖使用のタイミングについて

変形性股関節症をお持ちのクライアントの方から、「どういった時に杖を使用したら良いですか?」というご質問を頂くことがあります。杖は、正しく使用することで股関節への負担を軽減し、痛みを和らげる有効な手段ですが、使用開始のタイミングを迷われる方も少なくありません。今回は、杖を使う適切な時期とその理由について解説します。

杖を使うべきタイミングについては、以下のような内容が考えられます。

1つ目は歩行時に痛みを感じる場合です。痛みは基本的に、痛みを感じる部位に何かトラブルが起こっている事を教えてくれているサインでもあります。変形性股関節症をお持ちの方の場合、関節軟骨の摩耗や関節包もしくは滑膜に炎症が起こっている場合、また特定の筋肉に過度な負担がかかっている事で生じます。痛みを我慢して歩き続けると、筋肉の緊張や歩行のフォームの崩れによってさらに関節に負担がかかる悪循環に陥る可能性があるためです。

2つ目は長時間の歩行や階段昇降の際に、股関節や足全体に不安定さを感じる場合です。股関節自体の不安定性や、周囲の筋肉のバランスが崩れてしまう事で、股関節を中心とした足全体に不安定さを感じる場合は、変形をお持ちの股関節も適切に体重を支える準備ができていない可能性があるためです。

3つ目は外出の頻度が次第に減ってきている場合です。当然、股関節に痛みや支えにくさがあるため、全体の運動量や歩数の管理は大切です。しかし、過度の安静は逆効果となる場合もあり注意が必要です。極端に外出の頻度が減ってしまう事により、全身的に筋力や体力が落ちてしまうは避ける必要があるためです。杖の使用により、痛みなく、もしくは痛みが少なく外出できるのであれば検討する十分な理由になると考えます。

変形性股関節症で杖を使うタイミングは、「歩行時に痛みを感じる場合」「股関節や足全体に不安定さを感じる場合」「外出の頻度が次第に減ってきている場合」が目安です。杖を使用する事で、股関節へのメカニカルストレスの軽減と活動量維持が図れるため、無理に我慢せず杖の使用を検討する事は大切です。フィジオセンターでは、杖の選び方やその方に合った適切な高さの設定や使用方法もご相談に対応しています。股関節の状態や、歩くフォームに不安をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

当センターでは、保険外・自費でのリハビリテーションサービスを提供しております。変形性股関節症をお持ちの方で、医療機関での外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方がに対して、変形性股関節症をお持ちの方にとって、より良い股関節の管理方法について日常生活での股関節の負担の少ない姿勢や動き方などを併せてご提案しています。

ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP) / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志


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