変形性股関節症と歩行速度の関係について

変形性股関節症と歩行速度の関係について

変形性股関節症をお持ちのクライアントの方から、「歩行速さが遅くなってきた」とご相談いただくケースがあります。歩行速度の低下は、変形性股関節症の進行に伴い多くの方が経験される症状です。今回は、変形性股関節症と歩行速度の関係について、解説します。

歩行速度低下の原因としては以下点が考えられます

1つ目は、歩行時に発生する痛みです。変形性股関節症をお持ちの方は、歩行や立った姿勢の際に痛みが出現する場合が多く、痛みが発生する事により以下に記載する筋肉の活動などにも影響を及ぼします。

2つ目は、筋力の低下です。変形性股関節症をお持ちの方は一側性の変形であったも、変形をお持ちの側の中殿筋や、変形の影響のない側であっても大腿四頭筋の筋力が低下すると報告されており、歩行に必要な推進力が得られにくくなる事も影響します。

3つ目は、筋肉が働くタイミングの遅れです。変形性股関節症患者は歩行時における、股関節周囲の筋肉が本来働くタイミングより遅れて活動する場合があり、これが歩行速度低下に関連している考えられています。筋肉の働くタイミングの遅延する事で、歩行が安定性になる可能性があり、結果として速度低下を引き起こすと考えられます。

4つ目は姿勢や脚長差の影響です。腰椎前弯角度や脚長差は歩行速度に関連していることが明らかになっています。特に、腰椎前弯(反り腰)が過剰になってしまう場合は、歩行時の効率性を低下させて、結果的に歩行速度の低下につながります。

フィジオセンターではこのような場合、関節内の炎症による痛みをお持ちの場合は、股関節自体の負担を軽減するためにT字杖やノルディックウォーキングのポールの使用をお勧めします。痛みの原因が、筋肉などの関節の外にある場合は痛みの原因となっている筋肉に対してストレッチやリリースを行います。加えて機能の低下しやすい、股関節のインナーマッスルのエクササイズを実施します。また、筋肉の低下や働くタイミングについては、股関節に負担の少ない形でのエクササイズの実施や適切なタイミングで筋肉が働くように歩くフォームを分解して、必要となる筋活動を得るようにトレーニングを行います。

当センターでは、保険外・自費でのリハビリテーションサービスを提供しております。変形性股関節症をお持ちの方で、医療機関での外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方に対して、歩行速度改善に向けた筋力エクササイズや歩行指導、姿勢改善などを含めた包括的なサポートを行っております。

ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP) / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志

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