変形性股関節症をお持ちの方から、「股関節の変形の進行を予防する事はできますか?」とご相談を頂くとがあります。今回は、変形性股関節症における進行の予防について解説します。
変形性股関節症は、関節軟骨の摩耗や骨棘の形成、関節包の変化を伴う疾患であり、進行性の特徴を持ちます。しかし、その進行を予防していくためには何か重要でしょうか?
はじめに、変形性股関節症の進行メカニズムの概要をご説明します。
変形性股関節症の進行には、以下の要因が関与しています。
1つ目は、関節面や骨の構造です、臼蓋被覆に関係する発育性股関節形成不全やFAISに代表されるCam変形などは、変形性股関節症に関係する事がわかっています。
2つ目は、重たいものを持ち上げる作業など、股関節に大きな負担がかかる場合は、変形性股関節症の進行にとって良くない影響を与える可能性があります。
3つ目は、歩行の際のストライド(踏み出す足の幅)が大きい事や、歩く際のフォームの乱れをお持ちのまま、長時間歩く事は股関節への負担を増加させます。
保存療法の中心をになう運動療法の中で大切な事としては、以下の内容が挙げられます。
1つ目は、関節面の負担を考慮した、エクササイズの実施を定期的に行う事です。定期的なエクササイズを継続する事で、股関節の安定性が向上し症状の軽減が図られる可能性があります。
2つ目は、日常生活動作の見直しです。和式の生活や不安定の靴の着用、股関節の症状が強い時期にT字杖やノルディックウォーキングのポールの使用を検討する事など、股関節に直接加わるメカニカルストレスを軽減する事が大切です。
フィジオセンターでは変形性股関節症をお持ちの方に対して、痛みや関節の固さの原因が筋肉にある場合、ストレッチやリリースをを行い過剰な固さを軽減する事、機能の低下しやすいインナーマッスルを中心とした筋肉に対してはエクササイズを実施して筋肉の機能を高めるようなアプローチを行いながら、日常生活全般の股関節に関わる動きについても、股関節に負担の少ない動き方の方法などをご提案しています。
当センターでは変形性股関節症をお持ちの方や、股関節に痛みや関節可動域制限などの症状をお持ちの方で、医療機関での外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方に対して、股関節の機能を発揮しやすい体づくりのために、包括的なサポートを行っております。
ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP) / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志