「尿失禁」というと産前産後や高齢女性の問題と思いがちですが、若い女性でもお悩みの方がいらっしゃいます。
女性アスリートは、出産の有無にかかわらず同年代の方と比較して尿失禁が多いと言われています。特に強度の高いスポーツ(ウェイトリフティング、トランポリン、バレーボール、陸上の跳躍など)でその有病率が高いことが分かっています。
尿失禁に対するアプローチは、まずは医師の診断を受けて医学的治療が必要かどうか確認します。腹圧性尿失禁など運動療法が必要な尿失禁の場合は、骨盤底筋トレーニングやストレッチなどを行います。
トップアスリートに限らず運動中に症状がある場合には、腹圧のかかり具合(お腹にかかる力)がとても大事です。必要以上にお腹を締めると腹圧が高まりすぎてしまい、骨盤底筋の筋力があっても症状が出やすくなります。そのため、腹筋群の使い方を工夫する必要があります。上半身の柔軟性低下も腹圧をかけすぎる要素になるので、骨盤底筋の筋力とともに上半身全体の筋機能や可動域、呼吸などの評価を行い、トレーニング指導をしていきます。症状の回復に応じて、競技特性に合わせた動作の評価とトレーニングを追加すると良いでしょう。
フィジオセンターでは、ウィメンズヘルス・メンズヘルスの分野に携わっているスタッフがおり、いろいろなお悩みに対応させていただいています。排泄や骨盤周りのお悩みをお持ちの方は、遠慮なくご相談下さい。
磯あすか(理学療法士/日本スポーツ協会公認AT)