パーキンソン病をお持ちの方から、「仕事を続けているけど、長時間のデスクワークがつらい」「パソコンの操作や姿勢を保つことが大変な時がある」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
パーキンソン病をお持ちの方では、ふるえ、筋肉のこわばり、動作の遅さ、姿勢やバランスの変化などがみられることがあります。症状の出方や困りごとは人によって異なるため、“無理に頑張る”よりも、“働きやすい環境を整える”ことが大切です。
デスクワークで起こりやすい困りごと
デスクワークでは、一見身体への負担が少ないように思えます。しかし、同じ姿勢が長く続くことで、首・肩・背中・腰まわりのこわばりが強くなったり、立ち上がりや歩き出しがスムーズにいかなくなったりすることがあります。
また、キーボードやマウス操作、書字、書類整理など、細かな手の動きが求められる作業では、動作のしづらさや疲労を感じやすいこともあります。お仕事を続けるうえでは、症状そのものだけでなく、「どの作業で困っているのか」を具体的に整理することが第一歩です。
1. 姿勢を支えるデスク環境を整える
まず見直したいのが、椅子・机・モニターの位置です。足裏が床につき、骨盤が立ちやすい高さに椅子を調整しましょう。背もたれには軽く寄りかかれるようにし、腰や背中が丸まりすぎない姿勢をつくります。
モニターは目線の高さに近づけ、画面をのぞき込む姿勢を減らします。キーボードやマウスは身体に近づけ、肩に力が入りすぎない位置に置くことがポイントです。パーキンソン病をお持ちの方の環境では、エルゴノミックな作業環境や、トラックボール、音声入力などの補助機器が役立つ場合もあります。
2. 「こまめに動く」仕組みをつくる
長時間座りっぱなしになると、身体が固まりやすくなります。おすすめは、仕事の合間に短い休憩を計画的に入れることです。たとえば、30〜60分に一度、立ち上がる、肩を回す、背伸びをする、足踏みをするなど、数分でも身体を動かす時間をつくります。
ポイントは、疲れ切ってから休むのではなく、疲れる前に休むことです。タイマーやスマートフォンの通知を使うと、休憩のタイミングを忘れにくくなります。
3. 手元の作業は「道具」と「設定」で負担を減らす
キーボード入力がしづらい場合は、キーの反応速度やマウスの感度を調整するだけでも操作しやすくなることがあります。マウス操作が負担になる方は、トラックボールや縦型マウス、タッチパッドなどを試してみるのも一つの方法です。
また、文章作成が多い方は、音声入力や定型文登録を活用すると、手指への負担を減らせる可能性があります。小さな工夫でも、毎日の積み重ねでは大きな差になります。
4. 仕事の時間帯と体調の波を合わせる
パーキンソン病では、時間帯によって動きやすさや疲れやすさが変わることがあります。集中力が必要な作業や細かな手作業は、比較的調子のよい時間帯に行うなど、仕事の順番を工夫するのも1つの方法です。
可能であれば、休憩時間の取り方、勤務時間、在宅勤務、作業内容の調整などを検討することも大切です。日常生活や仕事の方法を調整していくことは、大切な視点となります。
5. 「できない」ではなく「やり方を変える」
仕事中に困りごとが増えると、「もう続けられないのでは」と不安になることがあります。しかし、作業環境や身体の使い方、道具、スケジュールを見直すことで、負担を減らせる場合があります。
大切なのは、症状に合わせて働き方を調整することです。椅子からの立ち上がりが不安定であれば、机や肘掛けの位置を見直す。歩き出しにくさがある場合は、動き出す前に姿勢を整え、目印を使う。手元作業がつらい場合は、入力方法を変える。このように、一つひとつ具体的に対策を考えていくことも大切です。
まとめ
パーキンソン病があっても、デスクワークを続けるための工夫はたくさんあります。姿勢を支える環境づくり、こまめな休憩、補助機器の活用、仕事の順番の調整など、自分に合った方法を見つけていくことが大切です。
フィジオセンターでは、身体の状態や生活環境、仕事での困りごとを伺いながら、その方に合った運動やエクササイズ、環境調整を一緒に考えていきます。デスクワーク中の姿勢や疲れやすさ、動作のしづらさでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP)/マリガンコンセプト認定理学療法士
日本体外衝撃波医学会認定 運動器体外衝撃波治療施術者
LSVT® BIG認定セラピスト BFJ公認野球指導者 基礎I U-15
フットコントロールトレーナー LICENSE B
津田 泰志
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