「手術は成功したのに、肩甲骨の内側や下方がいつも痛い…」
「長時間座っていたり中腰が続くと腰がつらい…」「パソコン作業が最近つらく、肩腰に痛みを感じる」など
このようなお悩みを抱えて当センターへご相談に来られる方は少なくありません。
特に、胸椎右凸カーブや**胸椎右凸・腰椎左凸(ダブルカーブ)**の側弯症に対して脊椎固定術(側弯矯正手術)を受けられた方に、このような症状を多く認めます。
なぜ肩甲骨の内側が痛くなるのでしょうか?
側弯症では、胸椎が右に大きく曲がることで、右側の背中(胸郭)が後方へ突出する「肋骨隆起(リブハンプ)」が生じます。
手術では脊柱をできる限り正常な位置へ矯正しますが、もともとの側弯の程度や胸郭自体の変形によっては、この背中の突出が完全には改善できない場合も少なくありません。
その結果、突出した胸郭の上に平らな肩甲骨が乗るような状態となります。
肩甲骨は安定した土台の上にあることで本来の動きを行いますが、胸郭の左右差が残るとバランスを取ろうとして、
- 肩甲骨が外側へ移動する
- 前方へ傾く(巻き肩のような姿勢になる)
- 肩甲骨の内側から下角(肩甲骨の下端)が浮き上がる
といった状態が起こりやすくなります。
この状態では、肩甲骨を支える筋肉が常に緊張したままとなり、肩甲骨の内側や下角周囲の痛み、重だるさ、疲労感が慢性的に続いてしまいます。
腰痛も起こりやすくなります
脊椎固定術後は、固定された部分を補うように、動くことのできる腰椎や股関節へ負担が集中しやすくなります。
そのため、
- 長時間のデスクワーク
- 中腰での作業
- 家事や育児
- 長時間の立ち仕事
などの日常生活の中で腰に負担が蓄積し、慢性的な腰痛につながるケースも多くみられます。
当センターで行っているリハビリ
当センターでは、シュロス側弯体操の考え方をもとに、一人ひとりの体の特徴に合わせた運動療法をご提案しています。
具体的には、
- 肩甲骨周囲の筋肉の緊張を和らげるエクササイズ
- 肩甲骨がより安定して動けるようにするトレーニング
- 胸郭と肩甲骨の動きを改善する呼吸運動
- 腰への負担を減らす姿勢や動作の指導
- 中腰姿勢や長時間座位での負担を軽減する工夫
- 腰部・体幹筋のトレーニングによる腰痛予防
などを丁寧にご指導しています。
大切なのは「痛みの原因を理解し、体を育てること」
手術によって側弯は改善されても、胸郭の形状や筋肉の使い方には個人差が残ります。
そのため、
- 日頃どのような場面で負担がかかっているのかを知ること
- 負担を減らす姿勢や体の使い方を身につけること
- 負担がかかっても耐えられる体をつくること
が、長く快適に生活するためにはとても重要です。
「手術をしたから仕方がない」と諦める必要はありません。
肩甲骨周囲の痛みや腰痛は、体の状態を正しく評価し、適切な運動療法や生活指導を行うことで改善が期待できるケースも多くあります。
同じようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
東京慈恵医科大学病院 E棟2階 フィジオセンター
問い合わせ:info@physiocenter.jp
TEL:03-6402-7755
フィジオセンター
理学療法士 :大田(国際シュロス側弯症セラピスト)