近年、自分の脂肪細胞から幹細胞を取り出して培養した後、変形した膝関節や股関節に注入することで、関節軟骨を再生させる治療が広まっています。当センターは、都内の再生治療を行っている医療施設よりご紹介を頂いて、7ー8年前から、幹細胞治療後の患者様のリハビリ(運動療法)を継続してお受けしています。ここで少し疑問に思われるのが「高い費用を支払って幹細胞治療をしたのに、なぜさらにリハビリをやる必要があるの?」 ということです。これには理由があります。変形性膝関節や股関節の幹細胞再生治療は、関節内の治療です。リハビリで行う治療(運動療法)は、関節そのものを良くしているわけではなく、関節に負担のかからない姿勢や動きを習得して頂き、負担を軽減させることが目的です。優れた関節の再生術も、姿勢が崩れて、膝が捻じれるような歩き方を続けていては、周りの筋肉が突っ張ったり、硬くなったりして痛みの原因になります。再生治療後の歩きや動きも改善して、旅行や運動をしっかり楽しみましょう。
東京慈恵医科大学附属病院E棟2階 フィジオセンター
担当:大田