成人の側弯症でお困りの方へ ノルウェー発の側弯症改善治療(Neurac治療)、ノルウェー発の側弯症治療の新しいアプローチをご紹介します。
今回は、側弯症治療の中でも特に注目されている方法をお伝えします。それはノルウェー発の「レッドコードNEURAC(ニューロマスキュラー・アクティベーション)」という方法です。この治療は、無重力状態を作り出すサスペンションエクササイズを利用し、脊柱の安定性を支える「深層のコア筋肉」を重点的に強化する、やさしくも画期的なアプローチです。
コア安定性と側弯症の関係
側弯症とコア筋肉(お腹の奥深くにある筋肉)の関係は、リハビリ分野で特に注目されています。研究によると、側弯症のある方はコア筋肉の働きが弱く、バランスが取れないことが多いそうです。そのため、脊柱のゆがみが進んだり、体全体の動きがぎこちなくなったり、慢性的な痛みが出たりすることがあります。
レッドコードNEURACでコアを再訓練する
レッドコードNEURACは、痛みを伴わずに筋肉の働きを改善するユニークな治療法です。この方法では、特別なサスペンションシステムを使い、次のような効果を引き出します:
- 特定の筋肉を集中的に動かし、バランスを取り戻す
- 正しい動き方を体に覚えさせる
- 安定性を高める筋肉の持久力を鍛える
- 負荷を少しずつ調整しながら無理なく進める
この治療が普通の運動療法と違うのは、特に深い部分の筋肉(多裂筋、腹横筋、骨盤底筋、股関節回旋筋など)を鍛える点です。これらの筋肉は脊柱や骨盤を安定させる役割を持っています。また、大きな筋肉に頼りすぎないようにすることで、小さな筋肉がより効率的に働けるようになります。このアプローチは「少ない方が効果的」とも言えます。
側弯症におけるレッドコードのメリット
レッドコードNEURAC治療を受けた患者さんから、次のような改善が報告されています:
- 痛みが和らぐ
- 姿勢が良くなる
- 動きがスムーズになる
- 脊柱の矯正を維持できるようになる
- 日常生活での自信がつく
研究による裏付け
最近の研究では、コア筋肉を鍛える重要性が改めて確認されています。特に、ヨーロッパの研究では思春期の側弯症患者がコア安定化プログラムに参加することで、以下のような効果が見られました:
- 体幹の筋力と持久力が向上
- 脊柱のゆがみ(Cobb角)が改善
- 生活の質が向上
また、さらに詳しい分析では、コア筋肉をターゲットにした運動が次のような成果をもたらすことも分かっています:
- 大人にも若い人にも効果がある
- 体幹の回旋(ひねり)の改善
- 日常生活の質の向上
これらの結果から、コア筋肉を重視した運動プログラムは側弯症の治療に欠かせない要素であり、レッドコードNEURACのような方法がその中で特に有効であると考えられています。
まとめ
強く安定したコア筋肉を鍛えることが、脊柱のゆがみを改善し、日常生活の機能を向上させる基盤となるという考えには、多くの証拠があります。この治療法を取り入れることで、受動的な治療に頼る必要が少なくなり、姿勢の維持力や日常生活での動きの質が向上します。
年齢や側弯症の進行具合に関わらず、包括的な治療計画を立てることで、より良い結果が期待できます。
もしこの治療法に興味がありましたら、ぜひフィジオセンター(理学療法士 大田)にご連絡ください。一緒にあなたの体をサポートするプランを考えていきましょう!
参考文献:
- Gür G, Ayhan C, Yakut Y. 思春期特発性側弯症におけるコア安定化運動の効果:ランダム化比較試験. Prosthet Orthot Int. 2017;41(3):303-310.
- Monticone M, Ambrosini E, et al. 活動的な自己矯正および課題指向型運動が軽度の思春期特発性側弯症の脊柱変形を軽減し、生活の質を向上させる:ランダム化比較試験の結果. Eur Spine J. 2014;23(6):1204-1214.
- Gao C, Zheng Y, et al. 側弯症のある人々におけるコアを基盤とした運動の効果:体系的レビューおよびメタアナリシス. Clin Rehabil. 2020;34(12):1459-1470.