昨年11月のことですが、第36回日本臨床スポーツ医学会学術集会のシンポジウム「妊娠期・産後のスポーツ実施に向けた支援・研究の現状」で、“骨盤底機能障害の予防”についてお話しさせていただきました。

妊娠中は運動はせずに安全第一、産後も無理せず過ごすこと、尿漏れがあっても当たりまえ・・・
というのはだいぶ前の考え方・文化で、最近は妊娠中も産後もできるだけ適度な運動を続けることが健康でいるために大切であり、安全に運動はできる、ということが分かってきました。世界的にどんな安全基準があるか、どれくらいの運動なら安全か、実際に妊娠期・産後の運動指導を実施しているもシンポジウムの中で紹介されました。
私が担当した“骨盤底機能障害の予防“では、骨盤底にある組織の弱化や骨盤底筋の筋力低下、その他様々な要因から起こる骨盤底機能障害(尿失禁、臓器脱、性機能障害、骨盤周りの痛みなど)をどのように評価して治療・予防するか、というお話をさせてもらいました。実は骨盤底筋そのものの問題だけではなく、上半身の硬さや股関節の動きが関連していたり、生活習慣が関わっていることもあります。
「お尻の穴をしめる」運動をひたすらやる、ということでは、残念ながらなかなか症状は良くなりません。骨盤底筋が弱いのか、硬いのか、瞬発力が足りないのか、腹筋の使い方はどうか、などなど全身の姿勢や身体機能評価を行って対処していく必要があります。
科学的に証明されている“エビデンス”がまだまだ少ない分野ですが、尿失禁の治療と予防には骨盤底筋トレーニングが有効とされています。ですから、より効果的に骨盤底筋トレーニングを行うためにも早い時期に身体機能評価が重要です、というお話をさせていただきました。
立ち見の方もいらっしゃったようで大盛況のセッションとなり、私もとても良い勉強ができました。
妊娠中でも運動を続けたい、産後に早く運動をやってみたいという方、スポーツ愛好家・アスリートの方で骨盤周りや排泄に関するお悩みをお持ちの方、フィジオセンターのスタッフにご相談ください。
磯あすか(理学療法士/日本スポーツ協会AT)