過去のブログでは、変形性股関節症と仙腸関節の関係について、股関節の動きを代償する事で仙腸関節に余分な負担が加わる可能性について解説しました。本日のブログでは、変形性股関節症と仙腸関節の安定性の関係性について解説します。

仙腸関節の安定性について

仙腸関節は以前のブログで述べたように、中央の仙骨と両側にある寛骨の間にある関節です。可動性(動き)は小さく、また関節面の形態から個人差が大きいとされています。この仙腸関節は、立った姿勢や歩く際に荷重を適切に股関節や腰椎に伝える役割を持ちますが、関節の位置関係によって、体重を受けやすい位置(荷重伝達が適切に行われる)もしくは、体重を受けにくい位置(荷重伝達が適切に行われない)関係をとる事があります。

具体的には、仙骨が両側の寛骨に対してお辞儀をするような位置関係(仙骨の寛骨に対する前傾)にある場合は、仙腸関節がしっかりかみ合い体重を受けやすい位置となります。反対に仙骨が両側の寛骨に対して起き上がるような位置関係(仙骨の寛骨に対する後屈)にある場合は、仙腸関節のかみ合いが浅くなる事から体重を受けにくい位置となってしまいます。

フィジオセンターで実際にクライアントの方の動きを観察する場合では、この仙腸関節の位置関係が変わらずに動きが行わる事は少ないと考えています。実際はクライアントの方が股関節に痛みが出現するタイミングや体重の支えにくくなる同じタイミングで、仙腸関節が不安定になる事が少なくありません。このような場合は、仙腸関節の位置関係を徒手的に体重を受けやすい位置に修正する事や、仙腸関節を安定させる筋肉を先行して働かせる事で股関節に出現する痛みや体重の支えにくさが変化する場合、仙腸関節の不安定性がお持ちの症状に関与している可能性があると判断して施術・コンディショニングを進めます。

当センターでは変形性股関節症をお持ちの方で、医療機関での外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方に対して、股関節への機能を効率良く発揮するために、股関節だけではなく、仙腸関節を含む骨盤帯や体幹機能、足部機能を併せて確認し必要な施術・コンディショニングを行っています。

ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士（運動器・脳卒中）
Certified Mulligan Practitioner（CMP） / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志