変形性股関節症をお持ちの方において、股関節周囲の筋肉の状態が股関節の機能や痛みに大きく影響することが知られています。その中でも、体幹前面に位置する腹直筋は、姿勢や動作に関与する重要な筋肉の一つです。本ブログでは、腹直筋の構造や機能、高齢者の変形性股関節症患者における影響について解説します。
・腹直筋の起始・停止(筋肉の付着部)について
腹直筋は腹部の表層に位置し、お腹の「シックスパック」として一般的に知られる筋肉です。この筋肉は縦に長く走行し、第5〜7肋軟骨・剣状突起~恥骨結合および恥骨稜に付着します。またこの腹直筋はは腱画と呼ばれる腱性構造で分割されている特徴があります。
・腹直筋は、主に以下の機能を持っています。
体幹の屈曲:骨盤を固定した状態で上体を前屈させる機能。
骨盤の後傾:腰椎の前弯を減少させ、骨盤を後傾させる働きを持ちます。
高齢者の方で変形性股関節症をお持ちの方の場合、骨盤が後傾し背中が丸くなる事で、この腹直筋の柔軟性が低下していまい筋肉自体の長さが短くなってしまう事があります。その場合、体を抗重力方向へ起こしにくくなってしまうため、変形のある股関節の負担が増加してしまう事や、立ったり歩いたりする際のバランスに悪影響を及ぼす事が考えられます。
フィジオセンターでは、このように変形性股関節症をお持ちの方が腹直筋に短縮を認める場合、まずは腹直筋の長さや滑走不全を軽減するためのストレッチやリリースを行います。加えて腹直筋が強く働かなければならない理由も併せて検討し、必要に応じて体幹深層筋のエクササイズをや股関節のトレーニングを行います。
当センターでは変形性股関節症をお持ちの方で、外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方に対して、変形性股関節症をお持ちの股関節に対して最適と考えられる施術・コンディショニングをご提案しています。
ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP) / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志