変形性股関節症と腹横筋の評価方法について

変形性股関節症と腹横筋の評価方法について

変形性股関節症をお持ちの方において、腹横筋の働きが体幹の深層筋の機能を保ち、重力に対して体を起こす機能や股関節の多くの筋肉が骨盤帯に付着する関係から、股関節を機能的に働かせていく上では腹横筋の機能が重要である事を以前のブログでご説明しました。

今回のブログでは、腹横筋の機能を徒手的(手を用いて)に確認する場合の方法について解説します。

本来、腹横筋はご本人が意識しなくても、手足を動かす少し前のタイミングで先行して働く事や、大きな動きの前にも先行して働き背骨を安定してくれることが大切です。しかし、変形性股関節症をお持ちの方の場合は、腹横筋が自動的に働きにくい事が多く、施術やコンディショニングの前にお持ちの機能を確認する事が大切です。

ベッド上で腹横筋の機能を確認する方法としては、対象者の方が仰向けに寝た状態から膝を立てる姿勢を取ります。検査者は、対象者の両方の上前腸骨棘を触り約2cm内側・僅かに下方の部位を触診します。この部位が腹横筋を単独で触り確認し易い場所とされているためです。検査者は、この部位を触って確認したまま、対象者の方にお腹に軽く力を入れてもらいます。方法は、一般的に行われるドローイン(お臍を背中に近づける)方法や、左右の上前腸骨棘を近づけるようなイメージを持つ事などが行われます。

この際の、腹横筋の働くタイミングの左右差や深い部分が固くなるかどうか?表面のアウターマッスルの影響をどの程度受けているのか等を、検査者は筋肉を触って確認します。多くの場合は、変形性股関節症をお持ちの側の腹横筋の働くタイミングが遅れる事や、腹横筋に適切な固さを作る事が難しい事が多いと考えられます。

フィジオセンターではこのような場合、腹横筋の働きが低下している理由について評価・確認を行います。例としては、腹直筋や外腹斜筋などのお腹のアウターマッスルが過剰に働いている事や、同じ側の股関節の大腿直筋などの働きが強く腹横筋の働きが阻害されている事が原因考えられる場合は、これらの筋のストレッチやリリースを行い、腹横筋の働きを再度確認を行いながら、クライアントの方の課題となる動きに結び付けるようなアプローチを行っています。

当センターでは変形性股関節症をお持ちの方で、外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方に対して、変形性股関節症をお持ちの股関節に対して最適と考えられる施術・コンディショニングをご提案しています。

ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP) / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志

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