Preoperative Leg Muscle Quality Association Functional Recovery After Adult Spinal Deformity Surgery: A Propensity-Score-Matched Study Sakaguchi et al., 2025, Medicina)「和名タイトル:成人脊柱変形手術後の機能回復に対する術前下肢筋質の関連:傾向スコアマッチング研究」
成人脊柱変形(ASD)の手術といえば、姿勢を整えたり、つらい痛みを和らげることが目的。ところが実際に「動けるようになる」回復度は人それぞれ。じゃあ何が術後の回復を左右するのか?
2025年に発表された Sakaguchiらの研究(Medicina誌) が注目したのは、意外にも「術前の下肢筋の質」でした。
研究を簡単に説明すると
- 対象:成人脊柱変形で手術を受けた患者さん
- 調べたもの:
- 下肢筋の「質」(筋肉内脂肪が少ない=質が良い、と評価)
- 椅子から立ち上がり歩いて戻るまでの速さ(TUGテスト)
- 方法:術前と術後のデータを比較し、筋肉の質と回復の関連を解析
結果はどうだったのか?
- 大殿筋と腸腰筋の筋質が良い人は、術後のTUGテスト改善が大きかった!
- 逆に、筋肉に脂肪が多い=筋質が低下している人は、術後の回復がいまいち…。
研究者の考察
- 手術で骨格を直すだけでは不十分 !!
- 術前の筋肉の状態が、そのまま術後の「動ける力」に直結していた。
- 特に 大殿筋と腸腰筋 は、歩く・立ち上がる動作に非常に重要。
- 術前からこれらを鍛えておけば、術後のリハにも大きく影響して回復がさらに良くなるかのうせいがある。
この研究が伝えているのはシンプルなメッセージ。
「手術を成功させるには、術後リハビリはもとより、術前リハビリ(プレリハビリ)も取り入れるのが効果的!」 つまり、手術した場合は、+術前術後の運動療法=ベストパフォーマンス。患者さん自身も「術前からの筋トレ」が大事な役割を果たす時代になりそうです。もし手術をお受けになる前、またはお受けになった後、運動療法(エクササイズ)を専門家にご希望の場合は、ドイツ公認の側弯症専門理学療法士(シュロス側弯症セラピスト)の在籍するフィジオセンターにご相談下さい。
東京慈恵医科大学病院E棟2階 フィジオセンター
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理学療法士:大田(シュロス側弯症セラピスト)