3月の始めに「脳振盪の評価とマネジメント-前庭・眼球運動機能の評価-」に参加してきました。
2020年にも講習会を受けましたが、情報も評価方法もだいぶ更新されており、実技セミナーは6年ぶりです。講習前には事前学習の動画がなんと7本もあってそれだけでも情報量がすごいのですが、講習会当日は実際に評価ツールを使ったり自分が評価されたりして、とても勉強になりました。



脳振盪は、頭に強い衝撃がかかるとおきますが、頸より上が強くゆさぶられることでも発生します。直接頭をぶつけなくても脳の中にひずみが生じたり、検査では見つけられないような小さな損傷が起こる可能性があります。スポーツでは相手と強くぶつかる、頭を地面や道具にぶつける、回転力がかかって頭が振られる、などで脳振盪が起こり得ます。日常生活でも、転んで頭を打ったとか、頭を強く揺さぶられたりすると起こることがあります。
症状としては、意識や記憶をなくすこともありますが、意識ははっきりしており受け答えはちゃんとできる、という場合もあるので注意が必要です。何となくボーっとする、感情の起伏が激しい、光や音に敏感になる、頭痛や吐き気、などは典型的な症状です。脳振盪の可能性がある場合には、スポーツではプレーを中止して専門家(医師や脳振盪の知識のあるスタッフなど)に診てもらうことが必要です。
脳振盪はレントゲンやMRI、CTの検査では異常がないのが普通ですが、日常生活や学校生活・運動をすると症状が出る・症状が残ることがあります。脳振盪後にすぐに運動を再開したり、症状があるのに負荷をかけてしまうと、症状がなかなか取れないことがあります。この場合の負荷は、脳への負荷なので身体運動に限りません。スマホを見る、考える、頭の向きを変える、なども負荷になるのです。
その反面、ずっと寝ていれば治るかというとそうとも限りません。最近では、症状が出ない(悪化しない)活動に関しては、できるだけ早期に再開する方が症状の回復に良い、と言われるようになっています。そこで、どんな負荷が問題になるのか、どのような活動・運動なら再開できるのかを丁寧に評価してリハビリを行うことが大切になります。
講習会では、脳振盪を起こしたことがなくても眼球運動や前庭機能が必ずしも正常ではないことや、安全にできることを探して少しずつ負荷をかけていく大切さ、評価する側がテストに慣れておく必要性も改めて感じました。
アスリートでも、アスリート以外でも症状が続いて悩んでいる方がいます。そのような方々に出会った時に少しでも力になれるようにこれからもしっかり学んでいこうと思いました。
磯あすか(理学療法士/日本スポーツ協会公認AT)