本日のブログでは、カナダの研究論文を引用し変形性股関節症の有病率と修正可能な要因について解説します。
カナダ・アルバータ州の4つの地域で実施された大規模調査によると、変形性股関節症の有病率は8.5%で、女性の方が男性よりも高いことが報告されています。特に肥満(BMI >30 kg/m²)の方は、正常体重の方に比べて変形性股関節症のリスクが約2.5倍高いことが示されています。
体重増加により股関節への負担が増大するだけでなく、脂肪組織から分泌される炎症性サイトカインも関節の状態に悪影響を与える可能性があります。体重管理を通じて、股関節への負担を軽減することが重要です。
また、身体活動の調査結果では、立ったり歩いたりすることが多い職業活動をしている人は、変形性股関節症のリスクが約50%低いことが示されています。
さらに、栄養管理ビタミンCの摂取量が推奨量以上の人は、変形性股関節症のリスクが1.9倍低いことが示されています。ビタミンCは抗酸化作用を持ち、関節軟骨の健康維持に役立つと考えられています。
フィジオセンターでは、これらの論文からの情報に加えて、生活習慣と環境の見直しを合わせてご提案しています。
変形性股関節症の予防と管理においては、日常生活の中での習慣や環境の見直しも重要な役割を果たします。股関節への過剰なストレスを避けるための具体的な対策をご紹介します。
1つは普段の姿勢です。長時間同じ姿勢でいることや不良姿勢は、股関節への負担を増やします。日常生活では、座るときに骨盤を立てて座ることや、立位時には股関節への負担の少ない姿勢を保つ事で、股関節へのストレスを軽減できます。
2つめは、股関節への低負荷な運動を敵的に行う事です。適度な低負荷運動(ウォーキング、スイミングなど)は股関節の可動域維持や筋力を維持する事に効果的です。また、ストレッチや関節可動域運動も取り入れることで柔軟性を維持できます。
3つめは、日常生活での工夫として床に座る習慣を避け、椅子に座ることで股関節への負担を減少させることができます。基本的には、和式の生活スタイルは股関節の可動域を大きく必要とするため、関節に余分な負担が加わりやすい傾向があると考えられます。
4つめは、適切な履物を選択する事です。選び方としては、踵のないサンダルやスリッパは基本的に足首の機能が十分に発揮できずに股関節に負担が加わりやすい可能性が高く、足にしっかりフィットするスニーカーなどを選択する事が重要かと思います。
当センターでは、保険外・自費でのリハビリテーションサービスを提供しております。や変形性股関節症の診断後に医療機関での外来リハビリテーションが処方・実施されていない方、もしくはリハビリテーションが算定日数制限のため終了された方々に向け、変形をお持ちの股関節に対する施術・コンディショニングだけではなく、長期的にどのような生活習慣が股関節に余分なストレスを加えずに生活できるかを、環境面からも含めてご提案しています。
ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner (CMP) /マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志