腰椎分離症に対するリハビリテーションの考え方

腰椎分離症に対するリハビリテーションの考え方

腰椎分離症は、スポーツを行う成長期の中高生に多くみられる疲労骨折で、特に体を反らせる動きがや捻る動きを多く用いる競技で発生率が高い事が報告されています。発症すると腰部の痛みや動きの制限が生じ、練習量を保てなくなるだけでなく、安静期間が長期化するケースもあります。そのため、骨癒合や症状の程度に合わせた段階的なリハビリテーションが非常に重要です。

□リハビリテーションは「段階的」に進めることが重要

腰椎分離症のリハビリでは、はじめに分離を呈している部分に対して、どのように骨癒合を促していくか?骨癒合が難しい可能性が高いため骨癒合を目指さずに競技復帰を図っていくか?など、医療機関での診察・診断結果を踏まえて治療方針を決定する事が最も重要です。

そのような中、骨癒合を促す場合は分離を呈している腰椎への負担を考慮し、どこまでのエクササイズの実施が可能かを確認してリハビリテーションのを実施する事が前提となります。

大まかな流れとしては、
①安静と痛みの管理 → ②体幹機能の改善 → ③スポーツ動作の再獲得 → ④競技復帰と考えられます

以下に詳細な内容を記載します。

①安静と痛みの管理(状況によってはコルセットを使用):分離を呈している腰椎の骨癒合を促す場合は、コルセットの使用や安静度を決定し腰椎への負担を軽減します。主治医の許可がある場合は、腰椎の運動を伴わない範囲で、体幹の深層筋エクササイズや股関節のストレッチも実施します。

②体幹深層筋(インナーマッスル)機能の改善・胸椎や胸郭・股関節の柔軟性改善:腰椎分離症を呈するケースでは、股関節や胸郭・胸椎の柔軟性が低下した状態でのスポーツ動作を繰り返す事に加えて、腰椎の安定性を高める機能を高める多裂筋や腹横筋の機能が低下し、分離を呈している腰椎が過剰に動き過ぎてしまう事が発症の要因と考えらえれるケースが少なくありません。そのため、骨癒合の程度に合わせてこられの機能を高めるストレッチ・リリース、筋の機能を高めるエクササイズを実施します。

③スポーツ動作の再獲得:サッカーや野球などのスポーツの種類やポジション、利き手や利き足を確認しつつ、必要な動きを確認します。動きを観察する中で分離を呈している腰椎の過剰な動きを伴う動作がないか?そのような動作がある場合は、全身的な観点から動きの修正を行うエクササイズを実施します。

④競技復帰を:練習時間や試合の出場時間などを調整し、競技復帰します。この時期にも予防を目的としたセルフエクササイズの実施やクーリングダウンの実施が望ましいです。

□まとめ

腰椎分離症は、適切な保存療法やリハビリテーションを行えばスポーツ復帰が十分に可能な疾患です。しかし、そのためには、「痛みが減ったらすぐ運動再開」という自己判断を避け、医師の判断を元に段階的に正しいステップを踏むことが最も重要です。

フィジオセンターでは、症状の評価から復帰後の再発予防指導まで、一貫したサポートを提供しています。医療機関を受診して腰椎分離症と診断された方や、その疑いがありながらも医療機関での外来リハビリテーションが受けられない方、保険制度上リハビリが終了してしまった方、部活動と両立しながら腰椎への負担を軽減する目的でのリハビリテーションをご希望の方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士/保健医療科学修士号/認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP)/LSVT® BIG 認定セラピスト
日本体外衝撃波医学会認定 運動器体外衝撃波治療施術者
BFJ公認野球指導者 基礎I U-15
津田 泰志

フィジオセンター
03-6402-7755

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