変形性股関節症をお持ちのクライアントの方から、「歩いている時に股関節がガクッとなって膝崩れを起こす事があります。」という相談を受けることがあります。膝関節に原因があり発生する、膝崩れは比較的注目されますが、股関節が原因の場合は言及される事が少ないように感じます。本日のブログでは、変形性股関節症をお持ちの方の歩行時の膝崩れが発生する理由について詳しく解説し、改善方法についてもご紹介します。
1つ目の考えられる理由は、股関節の不安定性です。変形性股関節症をお持ちの方は、発育性股関節形成不全などに代表されるように骨盤の形態がスリムで、大腿骨の大腿骨頭に対して、傘となる臼蓋の面積が少ないため、股関節が不安定となり易いと考えられます。
2つ目の考えられる理由は、股関節周囲の筋肉のバランスです。歩行時股関節を安定して回転の位置を良い位置に保つためには、股関節に加えて体幹のインナーマッスルの機能が重要です。歩行距離の延長や、先に挙げた股関節自体が不安定な場合は、股関節周囲の筋肉のバランスが崩れやすく、アウターマッスルを中心とした筋肉が過剰に働いてしまう事も原因として考えられます。
3つ目の考えられる理由は、骨盤帯の安定性です。骨盤内にある仙腸関節については専門家の方々の間でも可動性がある関節なのかは議論のある所になります。しかし、徒手検査で行う仙腸関節の検査では、症状のある足に体重をかけた際ににガクッと力が抜けるタイミングで、仙腸関節自体が体重を支えるのには適さない位置を取る事があり、この骨盤の不安定性も原因として考えられます。
フィジオセンターでは、このような場合、股関節自体の形を施術・コンディショニングで変える事は難しいため、股関節がより良い位置関係で体重を支えられるように、股関節・体幹のインナーマッスルエクササイズを行い股関節を安定した位置で回転できるように働きかけます。また、骨盤内の仙腸関節などの股関節に関連の深い他の関節の機能を併せて評価を行い、股関節が原因となる膝崩れについての予防を図ります。
当センターでは、保険外・自費でのリハビリテーションサービスを提供しております。変形性股関節症をお持ちの方で、医療機関での外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方がに対して、変形性股関節症をお持ちの方にとって、より良い股関節の管理方法について日常生活での股関節の負担の少ない姿勢や動き方などを併せてご提案しています。
ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP) / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志