成人以降の側弯症、特に肩や背中、または腰椎にカーブをお持ちの方から、「どちら向きで寝るのがいいですか?」というご質問をよくいただきます。
結論から言うと、**寝る向きは「違和感が少なくリラックスできる側」**が基本の目安となりますが、腰椎のカーブがどちらにあるかを考慮することが大切です。
たとえば、腰椎カーブの凸側が左にある場合、右向き(=腰椎凹側が下)で寝ると、重力によって凹側が自然に伸ばされる形になり、神経や椎間板への圧迫が緩和されることがあります。ただし、これはあくまで腰椎の柔軟性が保たれている場合に限られます。
一方で、柔軟性が低い場合には、凸側(上側)が縮みやすくなり、かえって不快感や腰痛の原因になることもあります。そのため、
「楽=必ずしも良い姿勢とは限らない」という側弯症の難しさがあるのです。
症状悪化を防ぐための工夫
以下のような工夫を取り入れることで、快適さと姿勢ケアの両立が期待できます:
- 就寝前の柔軟体操の実施
- クッションを利用して腰部へのストレスを緩和
- マットレスはやや硬めを選ぶ。柔らかすぎるとカーブの頂点が沈みやすくなります。
- 就寝中に数時間同じ姿勢が続くため、寝返りしやすい環境を整えることも重要。
- 専門家(側弯症 シュロス側弯セラピスト))に背部の状態を確認してもらい、体にあった向きやクッション(添える場所、大きさなど)を選んでもらう。
最後にひとこと
就寝姿勢は日々の積み重ねです、無理なくできる工夫から始めてみてください。少しの変化でも、腰痛やしびれの緩和、進行の抑制に繋がる可能性があります。シュロス側弯症セラピスト(大田)
東京慈恵医科大学病院E棟2階 フィジオセンター
お問い合わせ先:info@physiocenter.jp
電話:03-6402-7755
理学療法士:大田(シュロス側弯症セラピスト)