変形性関節症とコーヒー摂取との関係について

変形性関節症とコーヒー摂取との関係について

コーヒーは世界中で最も広く消費されている飲料のひとつであり、その健康への影響については多くの研究が行われています。

本日のブログでは、中国の研究グループによって発表された「変形性関節症(膝と股関節)に対するコーヒー消費の影響」についてコーヒー摂取量と変形性関節症リスクとの関係について解説します。

□研究概要
本研究では、32,439人の成人データを解析対象とし、変形性関節症と診断された3,676人を対象としています。コーヒー摂取量は24時間食事調査をもとに「0杯」「2杯未満」 「2~4杯」「4杯超」の4群に分類しました。変形性関節症(膝と股関節)の診断は質問票により行われ、解析には加齢、性別、肥満傾向、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙歴、飲酒歴など多数の交流因子を調整した統計モデルが用いられました。

□主な結果
分析の結果、コーヒー摂取が多いほど変形性関節症(膝と股関節)の有病率が高い傾向が見られ、特に1日4杯以上摂取する群では、変形性関節症のリスクが高まることが示されました。

□考察
なぜコーヒーが変形性関節症(膝と股関節)リスクを高めるのか?といった理由としては以下の点が挙げられます。
1つ目は、炎症促進作用です。カフェインは滑膜細胞における炎症性性サイトカインの産生を促進し、慢性的な関節内炎症を誘発する可能性があります。

2つ目は、カルシウム代謝への影響です。高用量のカフェインはカルシウムの吸収や代謝を低下させることで骨密度を低下させ、骨・関節構造を脆弱にする危険があります。

3つ目は、摂取量自体の影響:カフェインの効果は摂取量によって異なりますが、少量では抗酸化作用を持ちますが、4杯を超える高い使用量では関節の変化を促進する可能性が懸念されます。

注意点としては、他の研究ではコーヒー摂取が変形性関節症発症リスクを低下させる可能性も報告されており、対象や適当な生活習慣、調整要素の違いが結果のに影響していると考えられます。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP) / マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト
津田 泰志

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