変形性股関節症の病期分類でみる症状変化と運動戦略

変形性股関節症の病期分類でみる症状変化と運動戦略

本日のブログでは、「変形性股関節症は進行度によってどのように症状が変わるのか、そしてどんな運動をしたら良いのか」という、当センターをご利用予定の方からもよくいただくご質問について解説します。

変形性股関節症の進行度は、複数の分類方法が存在しますが、Kellgren–Lawrence(ケルグレン・ローレンス)分類という国際的に使われている方法では0〜4期(0は正常です)に分けられます。これは主にレントゲン写真をもとに関節の状態を評価するもので、骨の形や関節のすき間、骨の変化などから判断します。今回は日常生活で関係が深い1〜4期についてお話します。


初期〜軽度(K–Lグレード1〜2):早めのケアが大切な時期

症状の特徴
長時間歩いたあとや立ち続けたあとに軽く痛む程度で、普段の生活にはまだ大きな支障がありません。ただし、股関節の動く範囲が少しずつ狭くなったり、お尻の筋肉(中殿筋や大殿筋)が弱くなり始めることがあります。

運動のポイント
この時期は柔軟性と基礎筋力を保つことが重要です。お尻の筋肉を軽く力を入れて鍛える運動や、股関節をいろいろな方向にゆっくり動かす体操、痛みが出ない範囲でのウォーキングや水中歩行がおすすめです。早い段階から正しい動作習慣を身につけておくと、進行を遅らせることができると考えられています。


中等度(K–Lグレード3):痛みと付き合いながら動きを守る時期

症状の特徴
関節のすき間が狭くなり、骨の端に小さな出っ張り(骨棘)ができてきます。階段の上り下りや長距離の歩行で痛みやこわばりが強くなりやすく、特に足をや後方に動かすのが難しくなることがあります。

運動のポイント
動作の工夫と日常生活での負担の調整が必要です。T字杖やノルディックウォーキングのポールを使って片足への負担を減らしながら活動量を保ちます。太ももの付け根やお尻まわりの痛みのないストレッチで動きやすさを維持し、お尻の筋肉の持久力を高める運動を続けます。痛みが強い日は無理をせず、室内でできる軽めの運動に切り替えることも大切です。


重度(K–Lグレード4):生活動作の効率化と関節保護が最優先

症状の特徴
関節のすき間がほとんどなくなり、骨の形が変わります。歩ける距離が短くなり、安静時や夜間にも痛みが出ることがあります。日常生活動作にも大きな制限が出やすくなります。

運動のポイント
関節を守りながら残っている動きや機能を維持することが重要です。椅子の高さを調整したり、手すりを使ったりと生活環境を工夫し、安全に動けるようにします。運動は軽めの筋トレや関節をやさしく動かす体操が中心です。人工股関節全置換術などの手術を検討している方でも、術前に筋力や体力を保っておく事で術後の回復がスムーズになる事が想定されます。


フィジオセンターでできるサポート

当センターでは、保険外・自費でのリハビリテーションサービスを提供しております。変形性股関節症をお持ちの方で、医療機関での外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方がに対して、その方の股関節の変形の程度・痛みの原因・特にお困りの動きに不具合に対して、オーダーメイドの施術・コンディショニングをご提案しています。

ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP)/マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト BFJ公認野球指導者 基礎I U-15
津田 泰志

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