過去のブログでも繰り返し述べてきましたが、股関節は体重を支えて、歩行や立ち座りなどの日常動作を可能にする重要な関節です。この股関節内に存在する関節液は、関節機能を維持するために非常に大きな役割を果たしています。関節液は、関節包の内側にある滑膜から分泌される透明な液体で、以下のような重要な働きを担っています。
・潤滑作用:関節面の摩擦を減らし、スムーズな動きを可能にします。
・栄養供給:関節軟骨に酸素や栄養素を供給します。
・衝撃吸収:体重や外力を受けた際に関節内圧を調整し、衝撃を和らげます。
・老廃物の排出:軟骨代謝によって生じる老廃物を関節外に運び出します。
しかし、変形性股関節症が進行すると、この関節液の性質や量に変化が起こり、関節内環境の悪化に大きく関与することが明らかになっています。
近年の研究では、変形性股関節症において関節液の「量」と「質」がともに変化することが報告されています。特に注目されているのは、ヒアルロン酸の濃度や炎症性サイトカインの増加です。
変形性股関節症が進行すると、滑膜での炎症(滑膜炎)が起こり、関節液の産生が過剰に多くなります。これにより関節内圧が高まり、屈曲や座位での痛みを誘発します。また、関節液の増加は「関節水腫」と呼ばれ、股関節だけでなく変形性膝関節症でも同様に多く観察されます。
また、ヒアルロン酸は関節液の粘性を保つ成分で、潤滑作用や衝撃吸収機能に不可欠です。変形性股関節症では、炎症によってヒアルロン酸が分解され、関節液の粘度が低下します。その結果、関節摩擦が増し、軟骨の損傷が進行しやすくなります。ヒアルロン酸の減少と炎症反応の増加は、結果的に関節液の潤滑機能低下につながります。滑らかな関節運動が困難となり、動き始めの痛みや長時間の歩行後の痛みに関与すると考えられています。
□フィジオセンターでのアプローチについて
関節液の循環を促すためには、動かす事で循環する事がわかっています。そのため、関節内圧が上昇して痛みが出現しやすい場合は、レッドコードを使用した股関節を免荷したエクサイズ・ブリッジの運動・軽めのサドルを高めに設定したエアロバイク・プールでの歩幅を小さめに設定したウォーキングなどを提案しています。関節に過度な負担をかけずに適切に動かす事が大切です。
フィジオセンターでは変形性股関節症や股関節関節唇損傷、大腿骨寛骨臼インピンジメントをお持ちの方で、医療機関での外来リハビリテーションが処方されていない方、また医療保険での算定日数の影響により外来リハビリテーションが終了されている方、外来リハビリテーションと並行してリハビリテーションの実施をご希望される方に対して、股関節への負担を出来るだけ軽減するための、包括的なサポートを行っております。
ご興味のある方は、ホームページまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
理学療法士 保健医療科学修士号 認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP)/マリガンコンセプト認定理学療法士
LSVT®BIG認定セラピスト BFJ公認野球指導者 基礎I U-15
TEL 03-6402-7755
津田 泰志