De Giorgi S. 他 (2013) “Chêneau brace for adolescent idiopathic scoliosis: long‑term results. Can it prevent surgery?
思春期特発性側弯症(AIS)は、10歳前後から起こる背骨のゆがみで、重症化すると手術が必要になることもあります。この研究では、シェノー装具という専用のコルセットを使った治療が、どの程度効果があるのかが調べられました。
調査の内容
対象は、11歳前後の女の子48人。治療にはシェノー装具の着用と運動療法が用いられ、平均して5年半の経過が追跡されました。
主な結果
- 初めの背骨の曲がり(コブ角)は平均27度
- 装具をつけた直後は7.6度に改善(約72%の矯正)
- 治療終了時は8.5度、最終的には11.0度で安定
- 48人全員が手術をせずに済んだという結果でした
シェノー装具の特徴と意義
この装具は、背骨のねじれを三次元的に矯正するように作られており、特に腰のあたりの側弯に高い効果がみられました。また、1日20時間以上の装着が推奨されており、運動療法との併用も重要とされています。治療開始の年齢や骨の成熟具合は、最終結果に大きく影響しなかったことも報告されています。つまり、装具をきちんと使うことが治療成功の鍵であるといえます。
おわりに
この研究は、経験ある専門家によって装具が作られ、着用がしっかり守られていた例に基づいています。こうした条件が整えば、シェノー装具は手術を避けるための有効な選択肢となることが示されました。
フィジオセンターでは、シェノー装具作製の経験豊富な義肢研究所と提携しております。ぜひお問い合わせください。
東京慈恵医科大学病院E棟2階 フィジオセンター
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理学療法士:大田(シュロス側弯症セラピスト)