パーキンソン病のバランス機能低下と転倒リスクとの関係

パーキンソン病のバランス機能低下と転倒リスクとの関係

パーキンソン病をお持ちのクライアント様やご家族様から、「何もないところでふらつくことが増えた」、「後ろに下がった時に立て直せない」、「転びそうになるのが怖くて外出を控えている」、といったご相談を受けることがあります。

これらの背景にある重要な問題の一つが、バランス機能の低下です。パーキンソン病では、運動症状が比較的軽度に見える段階から、実はバランス機能の障害が徐々に進行していることが少なくありません。

今回のブログでは、パーキンソン病におけるバランス機能低下の特徴と転倒リスクとの関係を整理しながら、運動療法による具体的なアプローチについて解説します。


1.パーキンソン病におけるバランス機能低下とは

バランス機能とは、重心の位置を適切に制御し、姿勢を安定させる能力を指します。立位や歩行だけでなく、立ち上がり、方向転換、物を取る動作など、日常生活のほぼすべての動作に関与しています。

パーキンソン病では、以下のようなバランス障害がみられやすくなります。

・姿勢が前屈みになり、重心が前方に偏る
・小さな外乱(つまずき、接触)に対する立ち直り反応の遅れ
・後方への姿勢制御が特に不安定になる
・支持基底面を十分に使えない立位姿勢

これらの変化は自覚されにくく、「なんとなく不安定」という感覚として現れることが多いのが特徴です。


2.バランス機能低下と転倒リスクの関係

転倒は単なる偶発的な出来事ではなく、バランス機能低下の結果として生じる現象と捉えることが重要です。

パーキンソン病では、

・姿勢反射障害
・無動・寡動による反応の遅れ
・歩行中のリズム障害

が重なり、転倒リスクが高まります。

特に問題となるのが、転倒回避のための反応が遅れることです。健常者であれば無意識に行われる「一歩踏み出して支える」といった反応が、パーキンソン病をお持ちの方の場合、十分に機能しにくくなります。

その結果、

・後方への転倒
・方向転換時の転倒
・立ち上がりや着座時の転倒

が生じやすくなります。


3.バランス障害が生じるメカニズム

バランス機能低下の背景には、大脳基底核を中心とした姿勢制御ネットワークの障害があります。

姿勢反射障害

パーキンソン病では、外乱に対して姿勢を立て直すための調整機能がが低下します。これは、意識的にコントロールすることが難しいため、転倒リスクが高まる要因の一つです。

感覚統合の低下

視覚・前庭覚(頭部の傾きなどを検知する)・体性感覚といった複数の感覚情報を統合し、姿勢を制御する能力が低下します。特に暗所や不安定な床面では、バランスが崩れやすくなります。


4.フィジオセンターにおける運動療法アプローチ

フィジオセンターでは、バランス機能低下に対して以下の視点を重視しています。

① 姿勢アライメントの修正

短縮している筋肉に対してストレッチやリリースを行う事に加えて、重力に対して体を起こす筋肉に対してエクササイズを実施して、前屈姿勢の軽減を図ります。

② 重心移動と立ち直り反応の練習

安全を確保した環境下で、意図的に重心を動かして、重心移動の範囲を確保します。

③ 日常生活動作に直結したバランス練習

静止立位だけでなく、立ち上がり、方向転換、物を取る動作など、実生活に即した運動を段階的に取り入れます。


まとめ

パーキンソン病におけるバランス機能低下は、転倒や活動制限に直結する重要な問題です。しかし、適切な評価と運動療法を継続することで、姿勢・動作の安定性改善を図ります。

・ふらつきが気になり始めた
・転倒が怖くなってきた
・外出や活動量が減ってきた

そのような変化を感じた際には、ぜひ一度、専門的な評価と運動指導をご検討ください。フィジオセンターでは、症状や生活背景に合わせたオーダーメイドのリハビリテーションを提供しています。

理学療法士/保健医療科学修士号/認定理学療法士(運動器・脳卒中)
Certified Mulligan Practitioner(CMP)/LSVT® BIG 認定セラピスト
日本体外衝撃波医学会認定 運動器体外衝撃波治療施術者
BFJ公認野球指導者 基礎I U-15
津田 泰志

フィジオセンター
TEL:03-6402-7755

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